大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」3巻10章「アンコ」のネタバレ解説

カメラマンの富田は、おそらくコエムシに転送され、
マコがマコの父親のいるマンションのベランダに≪人形≫の手を伸ばし、
その上に乗っている写真を撮りました。

場面が変わり、9章で自然学校参加者の名簿を手に入れた徃住明と、
山崎ディレクターが、名簿について議論をしていました。

槇島摩耶子という少女だけはリストにあった住所が存在していませんが、
リストにあった14人中13人はほぼ確実に自然学校に参加していた、
と裏をとっていました。

また、テレビでは、中国政府が公開した衛星写真によって、
第一次特別災害のひと月ほど前に、日本の領海内で、
怪獣同士の戦闘が行われていたことが明らかになった件について、
日本の中田首相が野党から追及されていました。

日本は世界から孤立しかけていました。

場面が変わり、徃住愛子ことアンコは、都心にある高層マンションで、
コエムシと話をしていました。

アンコはよく、マンションでアイドルになるための練習として、
踊っていて、それをコエムシが見学していました。

しかし、今日は気分が乗らなくて、アンコは踊っていませんでした。

コエムシに、アイドルになりたい理由を訊ねられ、
パパのいるところに行きたかった、
テレビに出るアイドルになればパパが取材してくれるかなって、
とアンコは答えました。

やがて、テレビでアンコの父親の徃住明の番組が始まります。
政府が隠蔽する「操縦者」の正体に迫る!!
とテロップが出て、≪人形≫の手に乗っているマコの写真が映りました。

徃住明は、怪獣に十数名の子どもたちが関連していて、
その子どもたちのいるところに怪獣が現れると報道しました。

パパ、どうして、パパ……とアンコはうわごとのようにつぶやき続けました。

場面が変わり、番組を見守っていた山崎のところに、
自然学校参加生徒の実名がアングラネットで流れている、と情報が入りました。

さらに、徃住明と山崎が受け取っていたリストでは槇島摩耶子となっていた名前が、
徃住愛子に入れ替わっていました。

再び場面が変わり、アンコの部屋に田中と特対室のスタッフがやってきて、
アンコをマンションから脱出させようとしました。

マンションにはマスコミや野次馬が殺到していました。

玄関のインターフォンが鳴り、近所の人たちがバールで玄関を叩き、
出てこい人殺し! 俺たちまで殺すつもりだったのか!
いますぐここから引きずり出してやる! などとまくし立てていました。

アンコと田中たちは陸上国防軍の矢臼別演習室へ、
コエムシに転送してもらいました。

一方、番組が終了した後、
徃住明は、徃住愛子が自然学校に参加していたことを知りました。
妻から電話がきて、娘を売ってまで視聴率が欲しいのか、と言われました。

それ以降、アンコたちパイロットとその家族は、矢臼別演習室で暮らしていました。

しかし、他の子どもたちの両親とは、顔を合わせることができませんでした。

ただし、コモだけはマコの両親のところに足しげく通い、
出産を控えたマコの母を見舞っていました。

ある日、アンコはコモやマリアやカナやカンジと、ユニフォームの洗濯をしました。

アンコは、ユニフォームの襟首に縫い付けられた、
小さなワッペンのようなものに気づきました。

マリアはそれを、Z旗だと言いました。
Z旗の意味は、わかりやすく言えば、「ここで負けたら後がないんだから、
みんなもっとがんばれ」なのだそうです。

テレビでは、徃住明の番組が始まる時間になりましたが、アンコは見たくないと言い、
別のニュース番組を見ます。

日本はますます海外から批判され、孤立し、戦争になりそうな雰囲気でした。

アンコたちを守るために田中が作った、
マガジンに装填された契約者が戦闘前に死んだら、その時点で地球は滅亡、
という六番目のルールのせいで、情報を公開できず、
日本が孤立している、という意味のことを、マリアは言いました。

たとえば、マリアの存在が合衆国にバレたら、確実に日本との間で厄介ごとが起こり、
そのトラブルが悪いほうに転がって転がって、マリアが死ぬことがあれば、
その時点で地球は滅亡、ということになっているので、
日本政府は、全世界のためにも、マリアたちのことを公表するわけにはいかないのでした。

アタシ……みんなのために戦ってるつもりだったのに……
アタシたちのやってることって、正しいことじゃないの?
とアンコはつぶやきました。

一方、徃住明と山崎も国防軍の施設にて軟禁されていて、
政府が知る情報のすべてを説明されたうえで、
佐々見から取引をもちかけられ、協定を結びました。

アンコはコエムシに百里基地まで転送され、佐々見に土下座され、
許してほしい、お願いだ、徃住愛子さん、
どうか、この国のため、この世界のため、犠牲になってほしい、と言われました。

佐々見はアンコに、あたしは≪人形≫のパイロットではありません、
と嘘をつき、事実の隠蔽に手を貸すようお願いされました。

最初に出てた怪獣の腕に乗ったマコを写した1枚はただの合成写真で、
アンコが徃住明に頼んでつくってもらったものであり、
そんなことをしたのは一躍有名になってアイドルになりたかったからであり、
自然学校の参加者リストも、まったく架空のものだった、
と報道することになりました。

アンコも徃住明も、怪獣災害の被災者たちの気持ちを甘く考えすぎていて、
家を燃やされて急に恐ろしくなり、慌てて謝罪することになり、
徃住明は番組を降板し、アンコは遺書を残して「自殺」することになりました。

怪獣同士の戦いがすべて終わった後で、徃住明は番組に復帰し、
隠していた多くの情報をほかの局に先駆け、独占的に入手し、公開する、
ということになりました。

アンコは、わかりました、と答えました。

カンジは怒りましたが、ほかに方法ないでしょ? とアンコは言いました。

そこへ、徃住明が訪ねてきて、施設の外を散歩します。
(どうでもいいですが、「訪ねる」が「尋ねる」になっている誤字があります。)

すまなかった、と徃住明はアンコに謝りました。
アンコが夏休みに何をしてたのかも知らなかったのは、悲しかった、
でも、もしも徃住明がすべてを知ったうえで、報道してくれたのなら、
それでもかまわなかったと思う、という内容をアンコは言いました。

アタシ――パパと一緒にテレビに出るの、夢だったから、
たとえ、どんな形でもいいから、それ、叶えさせて、とアンコは言いました。

嘘の放送を前日に控え、スタジオでリハーサルが行われますが、
なるべくバカっぽくしゃべってくれ、なんだかわかんないけどテレビに出れたから、
OKかな、みたいなカンジで、へらへら笑って見せて、
とインナーイヤフォンに指示が飛びます。
(ここでも、「OKかな」が「OKから」になっている誤字があります。
凄くスケジュールが厳しかったみたいです。
1巻から3巻くらいまでの刊行ペースは異常なほど早かったですからね。)

そのリハーサルの途中で、アンコは≪人形≫の操縦室に転送されました。

また、徃住キャスターやほかの撮影スタッフや撮影機材も転送されていました。

戦いながら、インタビューを受ければいいんじゃないかしら、
アタシは≪人形≫のパイロットじゃありません、何も関係ありません、
っていう話をするのよね、ちょうどいいじゃない、
ここで撮影すれば、とっても説得力のある映像になると思うわ、
とマーヤは言いました。

アンコは激高しましたが、
さすがにコエムシでも、電波まではあなたの世界に運べないわ、
リアルタイムは無理かしら、とマーヤに言われて、
アンコの意識が外に向かい、窓が開きました。

ひときわ高くそびえたつ、巨大な塔の先端が、放電するかのように光り輝いている、
≪灯台≫がありました。

アウェイ戦で、広大な赤い大地が広がり、その赤い地の上に、
白い文字で言葉が書かれていました。

日本語や中国語やハングル、英語やフランス語、ドイツ語やアラビア文字、
アンコが見たこともないような文字で、
この地球に未来を、私たちは生きている、子どもたちに慈悲を、と書かれていました。

アンコは≪人形≫を前進させ、≪灯台≫に近づこうとしましたが、
カンジは、「DO NOT KILL」が「殺すな」に変ったのを見て、
動くな! 人だ! と叫びました。

大地を埋め尽くす赤は、赤い服を着た人間であり、
地面を埋め尽くす白は、人が掲げた白い布でした。

人間の盾が≪人形≫や≪灯台≫の周囲を取り囲んでいました。

それは、あまりにも壮大な、全地球規模の、地球滅亡をかけた、マスゲームでした。

あまりの事態に混乱したアンコは、おびえて反射的に≪人形≫を一歩、
後退させてしまいます。
≪人形≫の大きすぎる足が、赤い絨毯を踏みつけ、殺してしまいます。

逃げてよ……とアンコは言いますが、無理でしょうね、逃げたらきっと殺されるわ、
いったい、この世界は、どこで歴史を間違えたの、と田中は言いました。

田中の言う通り、よく見れば、人々の中には足を鎖で繋がれている者や、
銃を持った者もいました。

マーヤは田中に、正しい歴史を判断する権利が自分にあるだなんて、
ずいぶんな傲慢ね、と言いました。

また、カメラマンにどこかから通信が入り、カメラマンは日本語で話しかけてしまいます。

信号弾が上がり、さまざまな国の言語で書かれていた文字が、日本語へと切り替わり、
私たちを殺さないで、子どもたちを助けて、死にたくない、殺人鬼、虐殺者、人殺し、
と懇願したり罵ったりしました。

≪灯台≫の先端が、激しく輝き、稲妻のような光線が≪人形≫を揺さぶります。

アンコが撮影のためにつけていたイヤフォンに、
幼い少女の声で、あなたのあしもとに、わたしのママといもうとがいます、
ママといもうとをたすけてください、と声が聞こえてきます。

アンコは、聞きたくない! 許して! と叫び、椅子から身を投げ出してうずくまります。
その場にへたりこんだ≪人形≫を、≪灯台≫の電撃が撃ちます。

アタシたちにだって、戦う理由も、負けられない理由も、あるんだから!
それを、そっちばっかり勝手にしゃべって!
とアンコが絶叫すると、徃住明は、「通信設備とカメラで、
この世界の人たちに向けて話してみることを提案しました。

準備が整うと、アンコは自己紹介をし、謝罪し、
このロボットの名前は――〈ジアース〉といいます、とこの世界の人たちに呼びかけました。

ZEARTHはZ番目の“the earth”で、アンコたちの世界以外のすべての地球を滅ぼしても、
アンコたちは、最後に生き残る地球になります、という内容をアンコは言いました。

アンコは人々を踏み潰しながら〈ジアース〉を前進させます。
≪灯台≫のもとへとたどり着き、攻撃し、戦いは、終わりました。

怪獣の能力にはばらつきがあり、中でも、≪灯台≫は弱いほうで、
だからこそ、勝つためにはここまでしなければならなかったのでした。

アタシの声、届いたかな? と言ったアンコに、
ああ、届いたとも、と徃住明は言いました。

ありがとう、パパ、と言って、アンコは瞼を閉じます。

そしてアンコは、命の光が作る星空に、『Good luck, Zearth』と小さな文字があるのを見つけ、
その光を目に焼きつけて、届いたよ――、パパ――、と最期につぶやきました。


というあらすじなのですが、アンコがテレビで報道するはずだった内容が、
原作の漫画とは真逆になっていますね。

しかも、アウェイ戦で、壮絶な戦闘です。

よりによってアンコの敵がこれか、と読んでいて、胸が苦しくなりました。

でも、この≪灯台≫は、
≪灯台≫にとってのアウェイ戦ではどうやって戦ってたんでしょうね……。

3巻はここで終わり、4巻に続きます。

大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」3巻9章「マコ」のネタバレ解説

阿野摩子ことマコは、文化祭で、ロボットものの劇をやるから、
ユニフォームをつくりたいと、父親に相談すると、
父は張り切りました。

夕食後は父と2人でユニフォームを作るのが日課になっていましたが、
裁縫なんてろくにしたことがないマコは、指を針で刺してしまいました。

一方、父は若い頃にコスプレをしていた時期があったため、
裁縫も得意でした。

マコは、ワクが「死んだ」ことにされ、〈赤城〉に監禁されのは、
自分が強引にコモを説得してしまったからだと後悔し、
どこか、離党にでも監禁してほしいと願いでました。

しかし、逆効果で、自暴自棄になっていると判断されてしまいました。

なんとか、田中と佐々見を説得し、身重の母を国防医大に転院させてもらい、
父も東京への短期出張に出てもらうことになりました。

母のお腹にいるのは、弟ですが、出産予定日はまだ先で、
弟には会えなさそうでした。

テレビで≪人形≫の特番が始まると、父は、デカいし、カッコいい、
とほめてくれました。
そのことが、マコは自分のことのようにうれしく思いました。

劇の内容を聞かれ、ロボットに乗って戦い、敵を倒さないと、
地球は滅びてしまう、でも、ロボットを動かすと、
操縦者になった子は死んでしまう、とマコは説明しました。

テレビでは、怪獣の名前のトミコローツの由来を訊ねていましたが、
国防軍はノーコメントと答えていました。

マコの父は、アイヌ語で「戦争する棺桶」という意味だと説明し、
もうちょっとカッコイイ名前、つけてやってもいいよなあ、と言いました。

翌朝、父が出張に行きました。

マリアが、女同士で秘密の話がしたいと言い、
マコとコモの家の近くにある喫茶店に、
マコ、コモ、アンコ、マリアが集まりました。

マリアは、契約していないのは、カナだ、と言いました。

ヒントは、椅子で、椅子が用意されるのは契約者だけです。

チズの子どもの椅子はどれだ?
コックピットに椅子が現れて、一番最後に椅子に座ったのは誰だ?
とマリアは訊ねました。

それはカナでした。

マコの座っているベビーベッドがチズの子どもの椅子で、
カナが座ろうとして、マーヤに譲った椅子が、マコの本当の椅子です。

カナの椅子はないので、未契約者はカナだ、とマリアは推理していて、
マコやアンコたちも納得しました。

未契約者がカナだとすれば、ウシロのカナへの暴力がますますひどくなるので、
名乗り出ないのも納得です。

その後、街を散歩することになります。

(このシーンで、
「ここ、アンコとコモたちの街なんでしょう?」
というアンコのセリフがありますが、これは、
「ここ、マコとコモたちの街なんでしょう?」
の誤字ですね。)


ユニフォームのお礼に、服を買ってもらうことになりました。
紙袋を3つもぶら下げて、最初の喫茶店に戻ると、
マリアとアンコは靴を選びに再出撃していきました。

マコは、少し、怖かったんだ、ああいう、女の子らしいことするの、
とコモに打ち明けます。

マコがいまの家に引き取られたのは3歳の時で、
母親は売○婦で、客とトラブルを起こして死んだ、
という内容をマコは言いました。

ドラマとかニュースで男の人やお金にだらしない女の人を見ていると、
きっとこんな人だったんだろうって思い、
自分にもそういう血が流れているんじゃないか、とマコは思っていたのでした。

でも、みんなのおかげで、最後に、こういう楽しさもわかったから、
わたしは、もう、大丈夫……とマコは言いました。

その後、田中がマコを出迎え、マコだけを連れて車を発進させ、
30分ほど走って地下駐車場に停めました。

田中はマコに、プリントされた画像データを見せます。
ホテ.ルに、中年のサラリーマンに肩を抱かれて入ろうとするマコを写したものでした。

しかし田中は、それはコダマが作成して、
マコに縁のある人々に広めようとした偽ものだと言います。
しかし、特対室の情報対策班が阻止しました。

コダマにそれを依頼したのがマコであることも見抜かれていました。

マコは、わたしが勝てば、地球人類という全体は守れるが、
わたしの家を襲うのは、弟の出産間近に、実の娘のように育てていた養子を失うという、
ただの悲劇だと言いました。

父と母は、一生、苦しみ続けると思うので、
両親に自分を軽蔑させようとしたのでした。

マコは両親が思っているような子ではなく、
裏で画像データのようなことをする女だとしたら、
両親はマコに幻滅して、軽蔑して、忘れようとしてくれるはずだとマコは考えました。

いまの家に引き取られて、こんなにも幸福に過ごすことができた、
だから、もう十分なんです、とマコは言いましたが、
田中は、それがあなたの本心だとは思えないと言いました。

マコが泣くと、田中は家まで送ると言ってくれました。

田中に、どうして契約したのか、旦那や子どもがいるのに、
という意味のことを訊ねると、
あそこで契約できなければ、私は、自分の保身のために誰かを犠牲にすることになる、
子どもに誇れる母親ではなくなる、その時点で、母親としての私は死ぬ、
と思った、と田中は答えました。

でも、それは田中さんのプライドの問題であって、
残された子どもは、たとえどんな最低な母親でも、生きていてほしいと、
そう思うんじゃないですか、とマコが言うと、
田中は、マコの生前の母を知っている人に会ってみないかと言いました。

その頃、アンコの父親のニュースキャスターの、徃住明(とこすみ・あきら)は、
山崎ディレクターと、特別災害重点警戒地区と、
宇津帆島学習交流自然学校・参加者名簿に関するレポートを見ていました。
それは、畑飼が流したものでしたが、
アンコの名前の部分はマーヤの名前に置き換えられていました。

再びマコの視点に戻り、マコは田中の紹介で、
生みの母親の生前の「客」である、田々良惣ニ(たたら・そうじ)と、
レストランで待ち合わせをしました。

食事を終え、車に乗ると、田々良は、
マコの母親である半井美子(なからい・みこ)の面影がある、という話をしました。

美子の職業は、一般的にはほめられたものではなかったかもしれないが、
誇り高い女性だった、という話を、田々良はしました。

弁護士である田々良は、マコを生んだ美子に結婚を申し込んだこともありましたが、
これは、自分の力で解決しないと意味がないこと、
自分でちゃんと背負って、成し遂げて、はじめて、人に納得してもらえることなんだ、
と美子は言って、断ったのだそうです。

その頃、マーヤはアメリカで、ジョージ・ケンネル大統領と会っていました。
日本人は宇宙を支配したついでに、あのロボットで地球も征服しようとしている、
とマコはコエムシに訳させ、言わせました。

再びマコの視点に戻り、マコは、半井美子が眠るお墓に連れて行ってもらいました。

マコの母親の同僚が、タチの悪い男に引っかかり、稼ぎの大半をその男に持っていかれ、
虐待もされていた、という話を田々良はします。

美子から相談を受けた田々良は、
児童相談所に保護してもらうよう手続きを進めていましたが、
手遅れになりそうになり、美子はその子を引き取ろうとしました。

しかし、そこで口論になり、美子は激高した相手の男に刺されてしまい、
死んだのでした。
それがもとで、その子は無事保護され、養子として引き取られたのですが、
はっきりとは書かれていないものの、
それが原作に登場した阿野万記に相当する子どもだったのではないかと思います。

君の中に流れる血は、誇っていいものだと思うよ、と田々良は言いました。

いまなら言える、わたしの人生は、とても幸せだったと、とマコは思い、
お母さん……ありがとう、と言いました。

場面が変わり、佐々見と田中は、次のような話をしていました。
マコの街にマスコミが集まっていて、
情報をリークしたのが田中ではないかと、上層部から疑われていて、
田中にも監視がつく、という内容を、佐々見は言いました。

田中は、槇島摩耶子ことマーヤを疑っていて、
あの少女は、このゲームには本来必要ないはずの存在に思えます、
この世界への情が強すぎる、と言いました。

再び場面が変わり、マコの父の阿野和宏(かずひろ)が、
アニメの留守録をセットしておくのを忘れたと言って、
東京の短期出張から帰ってきました。

アニメ鑑賞中に、揺れが起こり、怪獣が出現しました。

マコは、例のユニフォームを着ていて、演劇の話は、演劇じゃなくて、
本当のことであり、マコがパイロットなのだと告白しました。

和宏は戦闘をやめさせようとしましたが、マコは、
父さんや母さんや、これから生まれてくる弟のために、戦いたいの、
わたしね、とても幸せだよ、だって、こんなにもたくさん守りたいものがあるんだもの、
と笑顔で言いました。

マコはコエムシを呼び出して、和宏を安全なところへ転送してもらおうとしましたが、
和宏は嫌がり、家に残ることになりました。

≪人形≫の名前を考えたのを、マコが教えると、いい名前だな、と父親は言いました。

操縦室に転送され、コモに抱きとめられた瞬間、感情の堰が切れ、
マコは号泣しました。

マコはみんなにユニフォームを渡し、
≪人形≫を自分たちなりの名前で呼びたいとコエムシに言い、
ベビーベッドの側面の板に、その名を書きました。

マリアたちはすぐにいい名前だと言って賛成しましたが、
一人、ユニフォームを着ようとしなかったウシロは、
手近にいたカナの襟をつかんで強引に引き寄せ、
おまえは何を笑ってるんだよ、おそろいの死に装束を着るのが、そんなに楽しいのか?
と言って、カナの頬を張りました。

マコは、ウシロくん、殴るよ、と言ってから、ウシロを殴りました。

あなたは自分だけが特別だと思って、自分の置かれた状況に甘えてるだけでしょう!
それを言い訳にしないで!
せめて、自分の妹くらい、大事にしなさい、とマコは言いました。

コエムシはマコの椅子について何か言いかけましたが、
マコは、これがわたしの椅子よね、今度、弟が生まれてくるだから、
とマリアに目配せしながら言い、そのまま戦闘を始めました。

敵は、コズエが戦った≪猿人≫と同じく人型ですが、
その全身は純白で、刃のように鋭い腕部や全身から生えた突起物のある、≪白猿≫です。

人型同士の戦いは、力と力のぶつかり合いになりますが、
≪白猿≫の攻撃は短調すぎ、こちらの攻撃のタイミングを計っているようでした。

≪人形≫の右腕が、≪白猿≫の胴を打とうとした刹那、
マコの視界から≪白猿≫が消失しました。

下がって! と田中とマーヤに警告され、反射的に≪人形≫を後退させると、
脚部の装甲が弾け飛びました。

敵の形が変わっていたのでした。

≪白脚≫は、ちょうど人間で言えばブリッジをするようにして、
4本の脚で立つ四足形態へと変化していたのです。

その時、お父さんが……呼んでる、とコモに言われ、
マコはマンションのベランダに立った和宏が、
へ、ん、け――とマコに伝えているのを見ました。

人型のロボット兵器は正面の面積が大きすぎて、弾が当たりやすいので、
実際には使えない、という内容の話を、和宏がしていたのをマコは思い出します。

現実に陸上戦の主役である主力戦車は、みな正面がなるべく小さく、
車体が低くなるように作られている、
戦車を倒すためには、一番装甲が薄く、一番面積の大きな弱点――すなわち、
上部を狙うんだ、と和宏は話していました。

可変機体は! 変形の瞬間が最大の弱点!
とマコは叫びながら、変形する≪白猿≫の前で、≪人形≫を前転させました。

≪人形≫の脚が着地するところに、≪白猿≫の無防備な腹部があり、
急所もろとも串刺しにしました。

≪人形≫は、和宏のいるベランダへと長く、大きな腕を伸ばします。
その手の先に、マコがいて、お父さんのおかげだよ、とマコは言いました。

かっこよかったぞ! よくやったな!
と和宏は言い、弟にもマコの活躍を伝えることを約束しました。

マコの顔は、とても穏やかでした。


というあらすじなのですが、原作の阿野万記と、
半井摩子のエピソードを上手く組み合わせて、
1つのエピソードとして再構成していたのが凄いと思いました。

この話は10章に続きます。

大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」3巻8章「コダマ」のネタバレ解説

ぼくらの ~alternative~3 (ガガガ文庫)


コダマは、草の根系のアングラネットで最近流行している、
〈トミコローツ戦記〉というゲームをプレイしていました。

≪人形≫――〈アムシペ〉を操って、街の被害をなるべく抑えながら敵を倒します。
死者が少ないほど、高得点で、マップの自動生成機能があり、
自分の街を舞台にして戦うことができます。

小高勝ことコダマの結果は、死者数7511で、ランクC、
コダマの街で戦ったプレイヤーの中で、212人中58位でした。

212人中最下位の死者数は20万人超で、
敵そっちのけで自分の街を破壊しつくしたのでしょう。

この7511人の中にパパが含まれていたって、何もおかしくないのだ、
人間は死ぬ、人は、死ぬのだ……と、コダマは考えていました。

場面が変わり、矢村大地(やむら・だいち)ことダイチの視点になります。

原作の漫画ではパイロットの1人だったダイチですが、
小説版では、パイロットではない一般市民として登場します。

午前3時に起床したダイチは、新聞配達をします。

3年前に、ダイチの父親は、ダイチと3人の兄弟を置いて失踪しました。
ダイチは、叔父――父親の弟に面倒を見てもらいながら、新聞配達のバイトと、
叔父の造園業の手伝いをしながら、暮らしています。

200部を配り終えて営業所に戻ると、店長が新聞を広げていました。
一面は今日も怪獣災害です。
これまでに4度も起きた、巨大な怪獣同士の戦いでした。

店長はダイチに、近くの遊園地のチケットを4人分くれました。
ダイチは断ろうとしますが、妹のためだと言い、受け取らされてしまいました。

再びコダマの視点に戻ります。

キリエの戦いから1週間が過ぎていました。

カウンセラーとの面談で、ちゃんと戦います、
1万人くらい快調に死ぬかもしれないですけど、
死んでほしい上司とかいたらついでに踏み殺しますよ?
一緒にあなたまで踏んじゃうかもしれませんが、
などと投げやりな態度をとってしまったせいか、
今回の面談の相手はカウンセラーではなく、田中一尉でした。

軍人は、死ぬことを仕事とする、唯一の職業なの、と田中は言いました。

無人兵器を禁止する天津条約は、
戦争をすると必ず人が死ぬようにするための条約なのだと、田中は言いました。

その頃、関と佐々見はコダマの様子をモニタで見ながら会話していました。

関は上層部に、ワクの戦闘における錯乱が、
軍による強引な隔離によるもの、という所見を提出していました。

自分が子どもたちにとった強硬な態度こそが、
第三次怪獣災害(ワクの戦い)における海上国防軍の大損害を招いたのだ、
と佐々見は考えているように、関には見えました。

子どもたちのカウンセリングが終わり、定期ブリーフィングをします。

コダマが部屋に戻ると、
吉川寛治――カンジ、一之瀬マリア――マリア、阿野摩子――マコ、
徃住愛子――アンコ、古茂田孝美――コモ、宇白順――ウシロ、
宇白可奈――カナの、7人の仲間が待っていました。

まだ3巻なのに、コダマを含めて、もう8人しか生き残っていないのか、
という感じです。

学校に脅迫状が来て、それを口実に警備員が来て、
学校中に監視カメラが設置された、という話をアンコがしました。

コダマの学校では、飼っていたウサギが殺され、
コダマがやったのではないかと疑われていました。

ウシロのところでは小学生の女の子を狙った通り魔事件が起きて、
ウシロが疑われていました。

カナを庇ったマリアに、カンジもウシロも母親がいない、
という話をカンジはしました。

再び場面が変わり、ダイチの視点になります。
次の日曜日に遊園地に行くという話をすると、
ダイチの妹や弟たちの、フタバ、サンタ、ヨシは喜びました。

もっと、もっと、がんばらなくちゃ、とダイチは思いました。

一方、コダマは、人を殺す経験がしてみたかった、
14歳になるまでに、人を殺さなければいけないと思っていた、
命を殺める経験、それは、俺にとって、強烈な糧になるはずだ
――そう思っていた、と考えていました。

超高層マンションの最上階から地上を見下ろしながら、
命は使い捨てられるために存在する、
命には、使われる側の命と、使う側の命がある、と考えていました。

一代で、この街を牛耳る土建屋に成り上がったパパは、文句なしに使う側だ、
だけど、俺は?
人を殺し、自分が使う側の存在であると、証明することで、
俺は、いまとは違った俺になれるはずだ、とコダマは思っていました。

コダマは、コズエのことを使われる側の人間だと思っていました。
しかしコズエは戦闘に勝利し、自分の足で立ち上がり、
人の死にかかわるという行為は、人を確実に成長させる、と思いました。

コダマはコズエを羨みましたが、コズエはあっさりと海へと転落し、死にました。

次にパイロットになったカコは、≪人形≫の力を使って、
自分を虐めてた連中を殺しましたが、自らの成した殺人に怯え、
こんなものは、俺の考えていた殺人の姿とは違う、と思いました。

そしてカコの戦いの後、新たなルール、≪人形≫を動かす代償は、
自分たちの命だと明らかになり、コダマもまた、
使い捨てられる側の人間だと知りました。

自分のためにワクを殺したチズだけは違う、とコダマは思っていましたが、
手違いから、自分の愛する肉親を殺してしまった瞬間、
コダマが憧れた女は死にました。

コダマは役立たずになったチズを殺して、俺だけは違うと、
証明しようとしましたが、銃の引き金を引くことができず、
いくじなし、とチズに言われました。

コダマは自分が死ぬと宣告されて、急に死ぬのが怖くなり、
自分が死ぬのが怖いから、相手が死ぬのも怖くなり、
人を殺せない、いくじなしになってしまった、とコダマは考えていました。

一方、ダイチは叔父から、自分の住む街が「怪獣災害重点警戒地区」になり、
今度の日曜日に行くはずだった遊園地のアトラクションを撤去し、
ヘリコプターが降りられるようにして、避難場所になるのだと教えられました。

フタバはそのことを、回覧板を見て知りましたが、
大喜びしているサンタとヨシにはそのことを教えられませんでした。

一方、コダマはフランス料理屋の個室で、家族と外食していました。

コダマの父は、ハゲで、チビで、デブで下品な成金でしたが、
上の兄は違っていました。

兄が違う金を稼いだのは父でしたが、
金の使い方は兄のほうがよっぽど知っていました。

パパはむしろ、金に使われている、とコダマは思いました。

コズエもカコもワクもチズも、≪人形≫の力があまりに大きすぎて、
殺しすぎたのだ、とコダマは考え、自分の父とコズエたちを重ねました。

しかし、父の会社は父が築いたもので、≪人形≫のような、
突然与えられた力じゃない、だから、パパは俺たちとは違う、とコダマは考えます。

そして、パパは……俺とは、違う、とコダマは悟りました。

コダマの父は、怪獣のおかげで、全国のいくつもの街に避難用のシェルターや、
ヘリポートをつくることになり、自分の土建屋が一手に引き受けることになった、
と上機嫌でした。

しかしそれは、コダマが≪人形≫の操縦者であり、
父親の会社が倒産するなり業績が悪化するなりで家庭環境が激変すれば、
戦えなくなってしまうかもしれない、と心配した大人たちが、
コダマの父親を操ったからでした。

その頃、畑飼はコエムシにテレポートされ、マーヤから2枚の紙を渡されました。

次の怪獣の出現が予想される特別災害重点警戒地区と、
宇津帆島学習交流自然学校・参加者名簿です。
その自然学校に参加した14人のほとんどの住所が、
近くで戦闘が起こるか、特別警戒地区に指定されていました。

あなたにとってこの世界に意味がないというんなら、
滅ぼしちゃえばいいんじゃない? と、マーヤは畑飼に言いました。

畑飼が消えると、マーヤはコエムシに、
『神』は世界の剪定の方法に『ゲーム』という私たち人間に理解可能な形式を選んだ、
世界の剪定を人間の手に委ねた、だとしたら、『神』は私たち人間を知っている、
認識している、いまこの瞬間も私たちを見ている――そう思わない?
と言いました。

また、もう帰る場所もない、とマーヤは言いました。

一方、コダマは誰かに話をしたくなり、ウシロのところに行きました。

すると、ウシロがカナを殴っていて、やめろよ、と言いました。
しかしウシロは、あんたには関係のないことだろう、
こうするとよく眠れるんだよ、と言いました。

コダマはウシロに、10歳の時にエアガンで野良猫を撃っていた自分自身を重ね、
何も言い返せませんでした。

そこへカンジがやってきて、助け船を出し、
コダマとカンジは散歩することになりました。

コダマは、「人」の形をした高層ビル、沖天楼(ちゅうてんろう)を見つけ、
いつかあれより高いビルを建ててやるんだ、と父親が言っていたのを、
カンジに話しました。

戦って死ぬのも怖いし、もうひとつの別の世界を壊すのも怖い、
キリエみたいにちゃんとやれる自信がない、とコダマが言うと、
キリエだって、怖かったんじゃないか? とカンジは言いました。

おまえだけっじゃない、みんな怖いんだ、とカンジは言いました。

翌日、マコから電話がかかってきて、頼みごとをされました。

電話を切ると、下の兄が、コダマが捨てた、
グロック17のエアガンを手に持っていました。
コダマがチズを撃てなかった拳銃で、自分に、人は撃てない、と思ったコダマは、
昨日の夜、捨てたのでした。

下の兄は、そのエアガンで、コダマを撃ち、コダマが痛がると、
猫の気持ちがわかったろう、と言いました。

上の兄が眼科医になる、という話を、下の兄はします。

昔、父親は家庭内暴力寸前のスパルタで、
しょっちゅう、上の兄を殴っていたのだそうです。
中学受験が近づいてきて、限界まで達した上の兄は、
エアガンで同級生の目を撃ち、同級生は障がいが残ったのだそうです。

父親と上の兄は相手の玄関で泣きながら土下座し、
上の兄は眼科医を目指すようになり、
父親は子どもを甘やかすようになったのだそうです。

だから、コダマの父親は、エアガンを持ち出したコダマのことを怖がり、
人に銃を向けたら、すぐに教えろと下の兄に言っていたのだそうです。

コダマは下の兄に、パパを助けてやってほしい、と頼み、
下の兄は悩んでから、会社のほうは、オレにまかせろ、と言ってくれました。

下の兄は伊達メガネを外し、捨てようとしました。
父に顔が似ているのが嫌で、伊達メガネをしていたのだそうですが、
父の仕事を継ぐのなら、父の子どもであることを受け入れる、
という意味のことを言いました。

コダマはその伊達メガネをもらい、かけました。

命に価値がない、と言っておきながら、殺人という行為に魅せられたのは、
人の命は尊い、だからこそ、それを殺すことは、俺の糧になる、
と思っていたからだと、コダマは気付きました。

命は、使い捨てられるために存在する、と今のコダマは考えていましたが、
同時に、それでも、人は命に価値を与えようとする、命を守ろうとする、
命は、尊い、と考えました。

コダマの心は、迷いと恐れで、いっぱいで、人を殺すことが、
自分が死ぬことが、どうしようもなくて体が震えましたが、
それでも、守りたいという意思はありました。

場面が変わり、ダイチの視点になります。

ダイチは黒い怪獣を見上げていました。
家にいるフタバたちを助けに、ダイチは家に戻りました。

一方、操縦席に転送されたコダマは、銀色の肩パッドのついた、
青砥赤と黒の見慣れない意匠の服を着て、メガネをかけていました。

マコは、ユニフォームみたいなのが欲しい、と言っていたワクの言葉を聞き、
ユニフォームを作ったのでした。
1着だけ、試着用のが先にできたから、コダマに着てもらったのだと言いました。

敵の怪獣は、山のように盛り上がった胴体部に、4本の足と頭部があり、
≪人形≫より敵のほうが一回り大きく、全体的に太いです。
巨大な亀――≪岩亀≫です。

敵も避難を待っていて、動きませんでした。
避難が終わるまで、動かないでくれ……、とコダマは祈るようにつぶやきました。

しかし、自分の家に戻ったダイチは、フタバから、
サンタとヨシがいないと教えられました。

きっと、2人とも遊園地に行ったんだと思う、とヨシは言いました。

遊園地は、たしかに避難先に指定されていましたが、
ちょうど人型の怪獣の目の前で、いま、一番危険な場所でした。

ダイチはフタバを自転車の後ろに乗せ、遊園地に向かいました。

その様子を、コダマは操縦席から見ていました。

マコは、大声で、何ごとか叫ぶ、自分たちと同い年くらいの少年と、
少し年下の女の子が、幼い男の子と女の子を、捜してるんじゃない?
と言いました。

ダイチとフタバのいるところから、サンタとヨシのいるところまで、
コダマは≪人形≫のレーザーの出力を最小まで絞って撃ち、
道を作ってあげました。

そのおかげでダイチとフタバは、サンタとヨシを見つけ、
遊園地から離陸していくヘリコプターに乗って避難しようとしました。

しかし、≪岩亀≫は、そのレーザーを攻撃だと誤認し、一歩、前に進みます。
その先には、ダイチたちが逃げ込もうとしている遊園地がありました。

そこはまだ、ダメだろう!
とコダマは叫び、≪人形≫を前進させ、遊園地の上をまたぎ越えて、
≪岩亀≫の突進を受け止めました。

そのおかげで、ダイチたちを乗せたヘリコプターは
空へと飛び立つことができました。

コダマは海へと移動します。
≪岩亀≫も海へと移動し、後脚で立ち上がりました。

コダマは、≪人形≫の左腕を途中で切り離し、
こいつは、俺たちの命を喰って動く化け物だ、あまりに強すぎて、
本当に守りたい人を、逆に殺してしまう、と言います。

しかし、こいつだって使い方次第じゃ――ちゃんと人を助けられるんだ、
≪人形≫だって、未来を開けるはずなんだ、こいつを信じよう、
こいつは、もう1人の、俺たちの仲間なんだ――と、コダマは言いました。

コダマは、俺たちは、この≪人形≫の大きさに惑わされているんじゃないか、
空を飛んで襲いかかってきた敵くらい速く動くポテンシャルは秘めているんじゃないか、
と言いました。

ひとつひとつの動作はさして、速いわけではありませんが、
ゲームは得意なコダマが操る≪人形≫は、ひとつひとつの動作を流れるように繋いでいき、
効率的な重心移動と機体制御で敵を攻撃します。
満身創痍となった敵の中心を、≪人形≫の腕が貫き、相手のコックピットを握りました。

死者数0、ランクS、と考えてから、「相手の世界は滅ぶのだから、
死者数、百億、ランクEだと考え直しました。

たとえ、百億人と百億一人の差であったとしても、
その1人は、きっと誰かにとって、かけがえのない1人なのだから、
コダマの戦いを見ていた皆が、
1人でも多くの人が助かる戦いをしてくれることを、コダマは期待し、
レーザーで敵コックピットを破壊しました。

一方、ダイチたちは、防衛軍のヘリから怪獣同士の戦いを見ていました。
人型の怪獣が、これまで多くの街を壊滅させた四足の怪獣を打ち倒しました。
ダイチは人型の怪獣に、心の中で、感謝し、
怪獣災害も終わったんだし、遊園地の営業も再開するかもしれない、と思いました。

今度こそ、次の日曜日に遊園地に行こう、
とダイチがフタバとサンタとヨシに約束する途中で、
ダイチたちの世界は消滅しました。


というあらすじなのですが、実はダイチたちは、
コダマたちにとって敵性の地球人だったのでした。

コダマの戦いは、アウェイ戦だったのです。

小説版はモジの扱いがひどい、という意見を多く目にしましたが、
モジなんかよりダイチのほうが扱いひどいよなあ、と思います。


それにしても、コダマの成長っぷりは本当に凄いですね。

「『ぼくらの』キャラクター登場頻度のネタバレ解説」の記事を
読んでもらえばわかりますが、
コダマは原作だと、たったの118コマしか登場していないキャラです。

そのコダマも、戦闘順がもっと後のほうなら、
他の子どもたちと同じように成長していたのかもしれない、
という「IF」の世界を示したことが、凄いと思います。

そしてこの話は、9章に続きます。

(「ぼくらの~alternative~」3巻 8章 9章 10章

大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」2巻7章「キリエ」のネタバレ解説

チズが「自分で自分の頭を撃った後、
キリエは庄司を病院へ運ぶよう、コエムシに頼みました。

コエムシが戻ってくると、次のパイロットは誰なのか、
と訊きました。しかし、誰も名乗り出ません。

さらに、≪人形≫が勝手に動き出し、
≪洋梨≫を内側からこじ開けようとしていました。

マーヤによると、操縦者はここで戦うのが決まりなので、
コックピット内にいるのは間違いありません。

やがてキリエが、チズの赤ん坊が契約者なのではないか、
と言い出しました。

≪人形≫が癇癪を起こすように大きく身をよじると、
≪洋梨≫の花弁がはじけとんで四散しました。

≪人形≫がめちゃくちゃに腕を振り回し、
その先端が敵の急所を叩き潰します。

信じられませんが、これで≪人形≫は勝ちました。

しかし、自分が戦い、勝利したことなど何も分からない赤ん坊は、
勝った後もじたばたと駄々をこねていました。

やがて、≪人形≫の顔にある光点が1つ消え、
残りは8つになりました。

顔にある光点の数が、残りのパイロットの数に一致している、
というのがキリエの推測でした。

しかし、生存している子供たちの人数は、マーヤを除くと9人なので、
数が1つ合いません。

誰か1人契約していないことになるわけですが、
誰も自分が未契約者だとは名乗り出ませんでした。

やがて、キリエが声を呼ばれ、自分が次のパイロットだと名乗り出ました。

しかしキリエは、もしも自分が、
≪洋梨≫の最初のパイロットの少女と同じことをしたら、
田中さんは、ぼくを殺しますか? と訊きました。

それから4日後、足りなくなったパイロットを補充するために、
田中と関が契約しました。
そのとき、マーヤが田中に突っかかると、
いま、この場で契約できないようなら、
この子たちの保護者だという言葉が嘘になってしまう、と田中は言いました。

その後、キリエ以外のメンバーで食事をとりながら、
ブリーフィングをします。

ワタシたちを全員殺して、
きちんと訓練を受けた軍人たちが代わりにパイロットになる、
ということも可能だ、とマリアは言います。

しかし、軍の上層部がそういう結論に達しないよう、
田中と関は、契約者が契約者以外の手によって殺された場合、
この地球は消滅する、と上層部に嘘の報告をしていました。
また、欠員が出た場合、
即座かつ無作為に近くにいた別の人間(この場合は田中と関)が
次の契約者となる、という嘘の報告もしていました。

コダマは、庄司が撃たれたのは俺のせいでもある、
と言いますが、田中は、あの場でのあなたの行動が、
完全に悪いことだとは思っていない、と言います。

キリエは、カコやツバサのとき、自分が相手の地球人を殺したようなものだ、
と考えていました。

のみならず、ワクやチズのことも、自分の責任だと感じていました。

キリエは、マーヤがネタバラシをする前から、
コズエが戦ったのは並行世界の地球ではないか、と思っており、
それをチズにも話していました。

チズは最初、原作の漫画と同じように、
≪人形≫を使って直接畑飼たちに復讐しようとしていました。
しかし、もしも自分の戦いがアウェイ戦になってしまったら、
その方法だと復讐が失敗してしまいます。

そこで、チズは保険として庄司に畑飼たちの殺害を依頼したり、
ホーム戦のときにパイロットを殺して、
自分がその戦いのパイロットに成り代わったりする、
という方法を考えていたのです。

また、チズが拳銃自殺したとき、
チズが自殺に失敗して延命してしまうと自動的に戦闘に負けてしまうので、
キリエは、庄司を病院に運べとは言っても、
チズを病院に運べとは言いませんでした。

それが、ワクやチズのことも自分の責任だと感じている、という意味です。

場面が代わり、キリエの視点になります。

キリエの家は、カコの戦闘のときに被災してしまっており、
現在は仮設住宅で暮らしていました。

キリエは母親に頼まれ、隣の仮設住宅に引っ越してきた、
母親の姉にあたる人物の家に行きます。

そこで、キリエの4歳年上の従姉妹である、和子の遺影に線香を上げました。

和子は高校生のときに、1人の友人の苦しみを一緒に背負って、
友人と一緒にマンションの上から飛ぶことにしました。
しかし、和子は飛べず、友人は死んで和子は生き残り、
生きることも死ぬこともできなくなっていました。

しかし、カコの戦闘で火災が発生しました。
和子は、炎に包まれた家から逃げず、亡くなったのでした。

キリエが廃校になった学校へ行くと、カコの姉に声をかけられました。

カコの姉は、カコの生存を信じてカコを探しており、
カコの情報を集めるポスターをキリエに渡しました。

その夜、キリエは田中のいる横田基地を訪れました。

キリエは、≪洋梨≫の最初のパイロットだった少女の気持ちは分かるが、
今は肯定できない、と言います。
彼女にとっての相手のパイロットは、自分の世界のためなら何でもする連中だった、
そう勝手に決めつけていました。
しかし、実際にはワクは、敵のはずの彼女をかばいました。
だから、キリエは、彼女がとても傲慢な気がしました。

キリエは田中に頼み、畑飼に会わせてもらいます。
そのとき、田中から一本のナイフを渡されました。
そのナイフは、チズのナイフでした。

畑飼のところに行きますが、畑飼は自分がチズに対してやった行為を、
全く反省しておらず、キリエを自分の側に引き込もうとしました。

しかし、キリエがナイフを見せると、さっさと殺せ、と畑飼は言います。

キリエは、「自分には畑飼を殺す理由も権利もない、と言います。
キリエがいま畑飼を殺しても、畑飼は後悔もしないし悔い改めもせず、
運が悪かったと思うだけです。
それだと、畑飼を肯定してしまうことになる、とキリエは考えました。

先生はその生き方を貫いて、行けるところまで行ってください、
そのためにぼくは戦います、とキリエは言いました。


それから1週間後、戦闘があります。
今回はアウェイ戦でした。

敵は、矢理のように細い胴体と二対の鋭い剣のような翅を持った、
≪蜻蛉≫でした。

≪蜻蛉≫は高速で空を飛び、≪人形≫を傷つけます。
≪蜻蛉≫はあまりにも速く動くため、≪人形≫の攻撃は当たらず、
劣勢に追い込まれます。

そのときコダマが、≪蜻蛉≫に乗っている敵のパイロットの気持ちになって考えろ、
とアドバイスをしました。

≪蜻蛉≫はもともと、≪人形≫の行動を先読みして攻撃してただけだったので、
≪人形≫が≪蜻蛉≫の攻撃を避けようとしないことで、
逆に攻撃を回避することができました。

さらにキリエは、「≪蜻蛉≫に背を向けて走り出します。

そのとき思い出していたのは、カコとの思い出でした。

カコはキリエのペースに合わせて長距離走を走り、
キリエが最下位にならないように自分が最後にゴールしたことがありました。

さらにカコは、足が遅いキリエに、
『よーい、ドン』の『ドン』で走るのではなく、
『よーい』で走るのだとアドバイスをし、
そのおかげでキリエは小学校の最後の運動会の短距離走で、
生まれて初めてビリ以外の順位をとりました。

≪蜻蛉≫のパイロットは、背中を見せて走る≪人形≫に、
一直線に攻撃を仕掛けます。
しかし、攻撃が当たる直前に、≪人形≫が振り返り、≪蜻蛉≫を攻撃しました。

攻撃は当たり、≪蜻蛉≫が地面に激突します。
≪人形≫はそのまま何度も≪蜻蛉≫を攻撃し、
半壊した白い球体、敵のコックピットが現れました。

キリエはコエムシに頼み、敵のコックピットに転送してもらいます。
そして、敵のパイロットである少女を、
チズのナイフで直接殺害しました。


というあらすじなのですが、キリエの敵との戦い方が、
とてもキリエらしくて良かったです。

キャラの特性を生かす、というのはこういう意味なのだと思います。

デブなキリエが意外と速い、
とかいう意味不明なことをやったアニメにも見習ってほしかったです。

2巻はここで終わり、3巻に続きます。

大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」2巻6章「チズ」のネタバレ解説

みんなはチズを責めますが、チズは平然としていました。

ちなみにチズから見ると、≪洋梨≫の女の子は、
大してコズエに似てるとも思えませんでした。

コエムシに頼み、ワクを死体置き場に移動させます。

次のパイロットとして名前を呼ばれたのは、チズでした。

チズは、わたしはちゃんとこの世界のために戦う、
ただし、対価がほしいと言いました。

まず、チズは庄司に、拳銃を渡すようにと言います。
庄司が渋っていると、赤城の傍にレーザーを着弾させ、
脅してみせました。

庄司から拳銃を受け取りますが、セイフティがかかったままでした。
コダマがそのことを教えてくれ、チズはコダマにお礼を言いました。

チズは、前に庄司に探してほしいと頼んだ5人を、
いますぐ、殺してくださいと頼みました。

一方、≪洋梨≫と戦闘中だった国防軍は、
あっさりと≪洋梨≫にやられてしまい、
赤城が沈められるのも時間の問題でした。

田中はチズを説得しようとしますが、
自分が勝ったら百億人死ぬのだから、たった5人殺すのが駄目なら、
百億人殺すのは駄目でしょう、とチズにやりこめられてしまいます。

言うことを聞いてくれないのなら、
≪人形≫を使って自分で殺しに行く、とチズは言います。
そうなれば、カコのときのように街に被害が出て、
関係ない人もたくさん死んでしまいます。

誰もが黙り込んでしまいましたが、ただ1人、キリエだけが、
いまチズのやってることは、チズの先生と同じことだよ、
と言いました。

それを聞いたチズは苛立ち、キリエも殺すと言い始めます。

とうとう庄司はチズに屈し、チズの要求を呑むと言いました。

ここで回想があります。

チズは昔から男の子が嫌いでした。
しかし、大好きな姉にそんな話をすると、
姉は付き合っている人がいるとと言い、
今度紹介してもらうことになりました。

その後、中学に入学したチズは、
担任になった社会科の畑飼(はたがい)にひと目惚れしました。

チズは強引に畑飼との距離を縮め、畑飼の部屋に上り込み、
抱きついて告白しました。

畑飼は、付き合ってる人がいる、と言いましたが、
チズはそのまま初.体験をしました。

ものすごく痛かったけど、先生さえいれば、ほかに何もいらない、
とチズは思いました。

しかし、「はじめて」から2ヶ月がたったころ、
チズは畑飼に連れられて、ホテルのスイートルームに連れて行かれました。

そこには、畑飼の友達の男4人がいて、
チズと畑飼が行為をしているムービーを観ていました。

畑飼は、これからデートなんでと言い、
4人の男たちから後でお金をもらう約束をし、部屋から出て行きました。

次の日の朝、4人の男たちは、逃げ場はないよ、とチズを脅しました。
チズが警察に行けば、チズの情報つきでムービーが流布し、
いまの日本の法律だとせいぜい10年くらいで出所できるのだそうです。

チズは、考えて、考えて、考えて、畑飼を殺すことにしました。

しかし、畑飼にナイフを向けても、畑飼は余裕の態度を崩しませんでした。
そのとき、チズは「つわり」で嘔吐し、自分が妊娠していることを知りました。

チズは、大人たちに対抗し、畑飼に復讐する力を求めました。

自然学校で契約し、「ゲーム」が始まったとき、チズは勝ったと思いました。
しかし、それはチズとお腹の子と引き換えにしてのものでした。

国防軍がロボットのことを知り、チズの身体検査をしたとき、
妊娠していることを知られました。

そのとき、お腹の子だけでも救うことはできる、と言われましたが、
チズは信じませんでした。
大人たちは、子どものこともサンプルか何かとしか考えていないに違いない、
と思いました。

回想終わりです。

庄司は、依頼された人物の殺害は完了した、と言いましたが、
チズは「嘘」と即答し、小さめの船にレーザーを撃って撃沈させました。

パイロットになった今のチズには、
誰が生きていて、誰が死んだのかがわかるのです。

次は赤城を沈めると言うと、庄司は今度こそ殺害命令を出しました。

1人目。
≪洋梨≫と戦いながら、コックピットに「窓」が開き、
家族団らんの光景が映りました。
中年の男が、高級マンションの一室で、
小さな娘に何事か語りかけながら笑っています。
その男の後頭部が、突然、弾けました。

2人目。
警察署です。
1人の男が部屋の中で書類にハンコを押しています。
その部屋が、爆発、炎上しました。

3人目。
弁護士バッジをつけた男が、裏路地に引き込まれます。
背中にナイフが突き刺さりました。

4人目。
電車のホームに立っていた男が、線路に突き落とされます。
そこに電車がやってきて、血しぶきが上がりました。

5人目は、いよいよ畑飼です。
畑飼は現在自動車で移動中で、同乗者がいる、
このままでは、関係な人間まで巻き添えになる、と庄司は言います。

しかしチズは、かまわないと言い、庄司は狙撃の指示を出しました。

コックピットの「窓」には、畑飼の運転する自動車の助手席に乗る、
チズの姉の姿が映っていました。

チズは狙撃をやめてと叫びましたが、間に合いませんでした。

自動車の後輪がパンクし、車がスピンし、
助手席が電柱にぶつかり、チズの姉は死亡しました。

チズは庄司に向かって拳銃を撃ち、八つ当たりします。

≪人形≫の足が止まり、それを待っていた≪洋梨≫が接近し、
上昇しました。

≪洋梨≫の本体が花弁のように4つに大きく開き、
≪人形≫の上に落下し、花弁が閉じます。
≪洋梨≫は、さらに溶解液を出し、≪人形≫を溶かそうとしました。

コダマは、チズは責任をとって戦うべきだと言いますが、
チズはぼうっとしていました。

コダマは、チズが混乱して落とした拳銃を拾い、
チズの後頭部に押し当てます。

コダマは、戦わないなら殺すと言いましたが、
チズは逆に「殺して!」と叫びます。

ところが、コダマは「チズを撃つことができませんでした。

チズはコダマに、いくじなし、と言い、拳銃をもぎとると、
自分のこめかみに拳銃をあて、引き金を引いて自殺しました。

ここで走馬灯があります。

チズが中学校に進級する1年前、チズの姉が高校1年生になったときの、
家族旅行のエピソードです。

本当はタイガーカップという遊園地に行く予定だったのですが、
入場券を家に忘れてきてしまい、
近くのキャンプ場でキャンプをすることになりました。

チズがお肉が食べたいと言うと、父は生きた鶏を持ち帰り、
チズに鶏を絞めるようにと言いました。

チズが嫌がると、チズの姉が代わりに、ナイフで鶏の頸動脈を切り、
血抜きをし、殺しました。

さらに、鶏を解体し、網で焼きます。
チズは最初は嫌がりましたが、姉に諭されて鶏肉を食べました。

その翌日、父に謝られ、鶏をさばいたナイフを渡されました。
おそらくこのナイフが、チズが畑飼を殺そうとしたナイフだったのでしょう。

命を奪うということの重みを忘れないでほしい、と父は言いました。

その言葉を思い出し、チズは「お腹の子に謝りながら死にました。
プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
重要なネタバレ箇所は白字にしてあるので、反転してお読みください。
現在、荒らしをした人物のコメントを拒否しており、巻き添え規制される場合があります。詳細はこちらに書いてあります。
承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年8月9日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。