川原礫「ソードアート・オンライン4 フェアリィ・ダンス」のネタバレ解説

ソードアート・オンライン (4) フェアリィ・ダンス (電撃文庫)


3巻の続きです。

昨日の夕方にスイルベーンを出発し、
シルフ領主サクヤの一行に感謝されつつ別れたのが午前1時過ぎ。

その時点で連続ダイブも8時間に達していたので、
今日の冒険はここらで切り上げて最寄りの宿屋でログアウトしよう
ということになり、キリトとリーファとユイは森の中の小村に降下しました。

しかし、村と見えたのは、地面に埋まっていた恐ろしく巨大なミミズ型モンスターが、
口の周りの突起を変化させて作った寄せ餌でした。

キリト達は強力な吸引力によって丸呑みされ、
広大無辺の地下世界、最難度フィールドたる≪ヨツンヘイム≫に落ちてしまいました。

地下では飛ぶことができません。
また、リーファの話では、東西南北に1つずつある階段には、
そこを守護する邪神がいて、最低でも24人パーティーじゃないと、
邪神を倒すことはできないそうです。

しかし、キリトとリーファだけで地上への階段に到達できるか、
試してみることになりました。

その時、邪神の咆哮や足音が聞こえました。

ユイによると、キリト達に接近中の邪神級モンスター2匹は、
互いを攻撃しているのだそうです。

様子を見に行くと、4本腕で縦に3つの頭を持つ巨人というフォルムの邪神が、
象の頭がくっついた水母(クラゲ)のような、やや小型の邪神を、
一方的に攻撃していました。

象水母の方を助けてとリーファに言われ、
キリトはユイに、近くに水面はあるかと訊きました。

北に200メートル移動した場所に氷結した湖があるとユイに言われ、
キリトは投擲用のピックで三面巨人の頭を攻撃し、タゲをとりました。

キリト達は巨人に追いかけられながら氷結した湖まで走ります。

巨人は氷を踏み抜いて湖に落ちましたが、巨人は泳げるらしく、
キリト達に近づいてきました。

しかし、象水母も追いかけてきて、20本近い肢で巨人に巻きつきました。

象水母は本来水棲タイプの邪神だったので、
有利な水フィールドで巨人を倒すことができました。

象水母は鼻でキリトとリーファを掲げ、丸い背中の上に放り投げました。

象水母は歩き、
ヨツンヘイムの天蓋から逆円錐形の巨大な構造物、
氷柱(ツララ)型のダンジョンが垂れ下がっている場所に近づきました。

キリトは象水母にトンキーという名前をつけました。
名前の由来は、「かわいそうなぞう」という絵本に出てきた、
餓死してしまった象です。

トンキーは凍りついた川に沿ってひたすら北上し、
巨大な穴が空いた場所で停止しました。

そこへ、邪神狩りを目的とした連結パーティーのウンディーネ、
24人がやってきました。

ウンディーネ達はトンキーを攻撃しました。

キリトとリーファは我慢ができなくなり、玉砕覚悟でトンキーを助けるため、
ウンディーネ達に立ち向かいました。

キリト達は2人倒しましたが、人数差が大きいため、
50秒ほどで負けそうになりました。

しかし、その間にトンキーは殻を脱皮し、
4対8枚の翼を持つフォルムに変身しました。

変身したトンキーは強く、雷撃を降り注いでウンディーネ達を撃退しました。

キリトとリーファは再びトンキーの背中に乗せられ、
地上に向かって飛び上がります。

その時、巨大な氷柱型のダンジョンの先端に、
≪聖剣エクスキャリバー≫が封じられているのを発見しました。
ユージーン将軍の≪魔剣グラム≫を超える、たった1つの武器です。

リーファは、また来よ、仲間いっぱい連れて、と言いました。

この伏線は、8巻2話の「キャリバー」で回収されます。

トンキーは、キリト達を階段つきの根っこまで案内してくれ、
地上に脱出することができました。

階段を上ると、そこはアルヴヘイムの中心、
世界最大の都市≪アルン≫の街中でした。

今日の午前4時から午後3時まで週に一度の定期メンテナンスが行われるので、
キリト達は宿屋に泊まってログアウトしました。

場面が変わり、アスナの視点になります。

前巻のラストで黄金の鳥籠から外に出たアスナは、
オフィスの書庫のような通路を進み、案内図を見つけ、
≪実験体格納室≫と書かれている場所があるのを見ました。

アスナはエレベーターに乗って降り、
途方もなく広大な空間に、300もの柱型オブジェクトがあるのを見ました。

柱の中には人間の脳髄が浮かんでいました。

ここが実験体格納室で、須郷伸之はかつてのSAOプレイヤーをここに幽閉し、
ナーヴギアによって思考、感情、
記憶までも操作するという悪魔の研究をしていたのでした。

そこへ、巨大ナメクジのような形をした須郷の部下2人がやってきました。

アスナはナメクジに見つからないようにコンソールの前まで移動し、
スリットにカードキーをスライドさせました。
【Transport(転送)】というボタンを見つけ、指先でタッチしました。

アスナは、
【Exenute log-off sequense?(ログオフを実行しますか?)】
という一文の近くのOKボタンに触れようとしましたが、
巨大ナメクジに捕まって、高く吊り上げられてしまいました。

アスナは須郷の友達だと嘘をついてピンチを乗り切ろうとしましたが、
ナメクジ達は、須郷が世界樹の上に囲っている人物がアスナだと気付き、
須郷に確認しました。

須郷の命令で、アスナは再び鳥籠に戻されますが、
アスナは素早く右足を伸ばして、
コンソールのスリットに差し込まれたままのカードキーを指先で挟んで抜き取りました。

再び場面が変わり、
現実世界の桐ヶ谷和人(キリト)と直葉(リーファ)の視点になります。

和人は直葉に頼まれ、明日奈のいる病院に案内し、
ナーヴギアを被ったまま寝ているアスナを見せてあげました。

明日奈の寝顔に見入る和人の眼を見て、
直葉は自分の心が真に求めていたものを知り、
同時にそれが決して手の届かない所にあることを悟りました。

午後3時になり、
アルヴヘイム・オンラインにログインして≪アルン≫で目覚めたリーファは、
キリトの前で泣いてしまい、あたし、失恋しちゃった、と打ち明けました。

キリトに慰められながら、リーファは、
兄が好きなことと、この気持ちを口に出してはいけないということを考えていました。

宿屋の外に出て世界樹に近づくと、ユイが上空を見て、
ママがいます、と言いました。

それを聞いたキリトは、いきなり、背の翅を大きく広げ、
世界樹の上に向かって飛翔しました。

しかし、すぐに障壁、見えない壁に激突してしまいました。

ユイは警告モードでアスナに呼びかけます。

鳥籠に閉じ込められていたアスナはその声を聞き、
自分の存在を知らせる手段を探しました。

この鳥籠にあるオブジェクトは全て位置情報をロックされており、
何一つとして格子から外に出すことができないのは確認済みでしたが、
銀色のカード・キーを格子の外に落とすことができました。

キリトはカード・キーを受け止めました。
ユイが、それはシステム管理用のアクセス・コードだと言いました。
対応するコンソールがあればGM権限が行使できるのだそうです。

キリトはリーファに今までのお礼を言い、世界樹の根元からゲートに入りました。

ドームの天蓋の頂点にある円形の扉を目指しますが、
扉を護る守護騎士(ガーディアン)が現れます。
1対1なら勝つこともできましたが、守護騎士は何十匹も何百匹も現れ、
キリトは負けそうになりました。

しかし、リーファが飛び込んできて、キリトを両手で包み込み、
ドームの外に脱出しました。

リーファは、もうやめて、と言いますが、
キリトは、会わなきゃいけないんだ、もう一度、アスナに、と言いました。

その言葉を聞いたリーファは、初めてキリトが兄の桐ヶ谷和人だと気づきました。

リーファが、お兄ちゃん……なの?
と聞き、キリトもリーファが妹の直葉だと気づきます。

リーファはログアウトし、自室のベッドで泣きました。

追ってログアウトした和人に、直葉は告白し、
本当の兄妹ではないと知っていることを告げました。

和人は直葉に謝り、直葉を傷つけていたことを察しましたが、
アルンの北側のテラスで待ってる、とドア越しに言いました。

直葉は、数日前の夜、アスナのことを思って泣いていた和人に、
がんばれ、と言ったことを思い出し、再びログインしました。

しかし、キリトと会うのをためらっていると、そこへレコンが現れ、
リーファに告白しました。
リーファは怒りましたが、アンタのそういう所、嫌いじゃないよ、と言い、
自分も意を決してキリトの待つテラスに行きました。

試合、しよ、とリーファはキリトに言い、飛びながらバトルをします。

リーファは途中で剣から手を離しましたが、
キリトも同じタイミングで剣を手放していました。

キリトもリーファと同じように、謝る代わりに、剣を受けようと思っていたのでした。

キリトとリーファは仲直りし、レコンに協力してもらい、
再び世界樹攻略に挑むことにしました。

キリトはドームに入り、天蓋の扉に向かって飛翔します。
レコンはヒール(回復)役でしたが、途中で守護騎士からタゲをとり、
自爆魔法を使って多くの守護騎士を道連れにしました。

自爆魔法は、死ぬと同時に通常の数倍のデスペナルティを課せられる禁呪でした。

ドームの天蓋は、びっしりと守護騎士に埋められていて、リーファは諦めそうになりました。

しかし、そこへ50以上のプレイヤーと10くらいの飛竜がドームに入ってきて、
加勢してくれました。
それはシルフ領主・サクヤとケットシー領主アリシャ・ルーの合同部隊でした。

呪文を放ちながら、全員で突撃します。

キリトが防衛線を突破すると、他のプレイヤーは後退しました。

キリトはゲートに到着しましたが、扉は開きませんでした。
ユイは、この扉は、システム管理者権限でロックされていて、
プレイヤーには絶対に開けられないと言いました。

しかし、アスナが落としてくれたカードを使い、トビラを開けることができました。

通路を進み、エレベーターに乗りますが、
そこにはリーファが夢見ていた空中都市などありませんでした。

キリトとユイは鳥籠に到着し、アスナと再会します。

現実世界へ帰ろうとしましたが、いきなり空気が異常に重くなり、
体を動かそうとすると、ねっとりとした粘液の中にいるかのような、
凄まじい抵抗を感じ、倒れました。

妖精王、オベイロン陛下こと須郷伸之が現れます。

キリトはログアウトしようとしますが、できませんでした。

須郷がアスナを苦しめるのを見て、立ち上がろうとしますが、
須郷は管理者権限でキリトに苦痛を与えます。

キリトは絶望しますが、「立って剣を取れ、
という茅場晶彦(ヒースクリフ)の声が聞こえ、体を起こします。

キリトは須郷の拳を掴み、脳の奥で響いた、
『システムログイン。ID〈ヒースクリフ〉。パスワード……』
という言葉をそのまま繰り返しました。

スーパーバイザ権限を変更し、ID〈オベイロン〉をレベル1にします。

SAO開発者である茅場晶彦のIDは、須郷よりも高位のものだったので、
須郷の権限を変更することができたのでした。

キリトは≪エクスキャリバー≫を召喚し、須郷の右手を断ち割ります。

キリトは全力で剣を撃ち込み、刀身が須郷の右眼から後頭部へ抜け、
深々と貫きました。

須郷は叫びながらフェードアウトし、姿が消え去りました。

アスナは現実世界の病室で待ってると言い、ログアウトしました。

キリトが、そこにいるんだろう、ヒースクリフ、と言うと、
ヒースクリフの声が聞こえました。

それは茅場晶彦という意識のエコー、残像のようなものでした。
システムに分散保存されたこのプログラムが結合・覚醒したのは、
つい先ほど、キリトの声が聞こえた時でした。

ヒースクリフは代償として、≪世界の種子≫という卵型の結晶をキリトに渡しました。


キリトはログアウトし、待っていた直葉にお礼を言いました。

もう夜9時少し前で、面会時間はとうの昔に終了していましたし、
雪が降っていましたが、和人は明日奈の病院に向かって自転車を疾走させます。

しかし、病院のパーキングで「大ぶりのサバイバルナイフを持った須郷に襲われました。
須郷はアメリカに行く前に、キリトを殺すと言い、ナイフを振り下ろします。

キリトは反撃し、ナイフを奪いましたが、俺はもう、剣士ではない、と思い、
須郷のネクタイで両手を後ろに回して縛り上げました。

ナースステーションで須郷のことを話し、明日奈の病室に向かいます。

そして、やっと結城明日奈と桐ヶ谷和人は現実世界で会うことができました。

場面が変わり、キリトとアスナは≪学校≫でお弁当を食べていました。

この特殊な≪学校≫に通う生徒は全て、
中学、高校時代に事件に巻き込まれた旧SAOプレイヤーです。

キリトとアスナは、自由選択科目はすべて共通にしましたが、
アスナの方が1学年上なのでカリキュラムに差があり、
会えるのは週に3日でした。

2巻1話に登場したシリカこと綾野珪子(あやのけいこ)と、
2巻2話に登場したリズベットこと里香は、≪一ヶ月休戦協定≫を結び、
1ヶ月だけキリトとアスナをらぶらぶさせてあげようとしえちました。

須郷とその部下は逮捕されていました。
須郷に監禁されていた300人の未帰還者に、人体実験中の記憶はなく、
全員が十分な加療ののちに社会復帰ができそうでした。


SAO事件とALOで起こった事件のせいで、
全てのVRMMOゲームが運営中止に追い込まれそうになりましたが、
その状況を、茅場晶彦がキリトに託した≪世界の種子≫が
根こそぎひっくり返してしまいました。

茅場は2024年11月のSAO世界の崩壊と同時にやはり死亡していました。

茅場が長時間ログインしていた間の介助をしていたのは、
茅場と同じ研究をしていた大学院生の女性、神代凜子(こうじろ・りんこ)でした。

キリトは保釈された神代凜子にメールし、喫茶店で茅場の話を聞きました。

茅場はフルダイブシステムを改造したマシンで己の大脳に超高出力のスキャンを行い、
脳を焼き切って死んだのだそうです。

スキャンが成功する確率は1000分の1もありませんでしたが、
茅場の意図したとおりの結果となれば、彼は己の記憶と思考、
つまり大脳内部の電気反応を全てデジタルコードに置き換え、
ネットワーク内に存在しているはずでした。

茅場晶彦の思考模倣プログラムから託された≪世界の種子≫は、
茅場の開発した、フルダイブ・システムによる全感覚VR環境を動かすための、
その名も≪ザ・シード≫と冠せられた一連のプログラム・パッケージでした。

小規模なサーバでも稼働できるようダウンサイジングし、
ゲームコンポーネントの開発支援環境もパッケージングしていました。

何を言ってるのかよく分からないと思いますが、要するに、
VRワールドを創りたいと望むものは、サーバを用意し、
≪ザ・シード≫をダウンロードして3Dオブジェクトを設計、
もしくは既存のものを配置すれば、それで世界がひとつ誕生することになる、
ということです。

ライセンス料がかからず、完全権利フリーの≪ザ・シード≫を、
キリトは「エギルに依頼して全世界のあちこちのサーバにアップロードしました。

さらに、ALOもプレイヤーでもあったいくつかのベンチャー企業の関係者が、
共同開発で新たな会社を立ち上げ、レクトからALOの全データを無料に近い低額で譲り受け、
継続することができました。

エギルの店≪ダイシー・カフェ≫を貸し切りにして、
アインクラッド攻略記念パーティーがあり、その後はALO内で二次会がありました。

光の妖精アルフや世界樹の上の空中都市は存在しませんでしたが、
新生ALOではあらゆる妖精の民に永遠に飛べる翅が与えられ、
リーファにはそれで十分でした。

キリトはリーファに、空に浮遊する城、アインクラッドを見せました。

今度こそ、1層から100層まで完璧にクリアして、あの城を征服する、
手伝ってくれよな、とキリトは言いました。

キリトとリーファは、クライン、エギル、リズベット、シリカ、サーシャ、
サクヤとアリシャ・ルー、レコン、ユージーン、アスナやユイと、
アインクラッドを目指して飛びました。


というあらすじなのですが、とても面白かったです。

ただ、茅場以外のSAOを開発したメンバーから見れば、
自分達が苦労して開発した環境を、勝手に無料配布されるなんて、
たまったもんじゃないよなー、と思いましたが。

フェアリィ・ダンス編はこれにて完結です。

次の5巻からは、ファントム・バレット編が始まります。

川原礫「ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス」のネタバレ解説

ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)


今回はキリトこと桐ヶ谷和人(きりがや・かずと)の妹である、
桐ヶ谷直葉(すぐは)に焦点が当たります。

まだ和人がSAOに囚われていた頃、
兄として育てられてきた和人が正確には従兄である、
と両親から教えられました。

桐ヶ谷峰嵩・翠夫妻の実子である直葉に対して、
和人は翠の姉、つまり直葉の伯母にあたる人の子供なのです。
伯母夫妻は和人がまだ1歳にもならないうちに事故で他界し、
大怪我を負いつつも命を取り留めた和人を緑が引き取りました。

直葉が高校に上がったらすべてを教える予定だったらしいのですが、
SAO事件では発生直後の1ヶ月間に2000人の死者が出たので、
全てが終わってしまった後に、
せめて直葉が≪知らなかったこと≫を後悔しないように、
両親は考えたのでした。

2024年11月7日に、和人はSAOから生還しました。

それから2ヶ月後、
和人はSAOのソードスキルを現実でも使えないかと思い、
小さい頃から剣道を続け、剣道の大会で上位に入り、
推薦入試で高校に進学することが決まっていた15歳の直葉と、
家の中にある道場で対戦します。
ちなみに、和人も小学校に上がってすぐに、
祖父に剣道場に通わされましたが、2年で辞めてしまいました。

システムアシストなしではソードスキルは再現できず、
和人は直葉に負けてしまいました。

和人はシャワーを浴び、着替えて、
アスナこと結城明日奈が入院している高度医療機関に行きました。

和人は現実世界に帰還した後、
≪総務省SAO事件対策本部≫の人間である、
黒縁眼鏡をかけた菊岡に、明日奈の居場所を訊きました。

しかし菊岡は、明日奈を含めて300人ほどのプレイヤーは、
まだ覚醒していない、と和人に告げました。

それから2ヶ月が過ぎた現在でも、
明日奈は目を覚ましていませんでした。

明日奈の入院している病室に行き、正午になると、
明日奈の父親であり、総合電子機器メーカー≪レクト≫のCEOである、
結城彰三(しょうぞう)がやってきました。

結城彰三から、レクトの研究所で主任をしている
須郷伸之(すごうのぶゆき)という、
眼鏡をかけた30歳くらいの男を紹介されました。

彰三が病室を出て行った後、須郷は、自分が明日奈と結婚する、
という話をしました。
書類上は須郷が結城家の養子に入ることになるのだそうです。
明日奈は昔から須郷のことを嫌っていましたが、
明日奈の両親はそのことを知らないのだそうです。

SAOを開発した≪アーガス≫は事件の補償で莫大な負債を抱えて、
会社は消滅しました。
サーバーの維持を委託されたのが、
須郷の部署であるレクトのフルダイブ技術開発部門であり、
明日奈の命は今や須郷が維持していると言っていい状態なのだそうです。

今後ここには一切来ないで欲しいな、式は来月この病院で行う、
と言い、須郷は病室を出て行きました。

家に帰った和人は、直葉に弱音を吐き、直葉は和人を励ましました。

直葉はそのまま和人のベッドで眠ってしまい、
目を覚ますと顔を真っ赤にして部屋から出て行きました。

SAOでは雑貨屋店主斧使いだったエギルから、メールが届きました。
そのメールに添付されていた写真には、
アスナにそっくりな長い栗色の髪の少女が映っていました。

和人は、現実世界でエギルが経営する、
台東区御徒町の裏通りにある喫茶店兼バー、
≪Dicey Cafe(ダイシー・カフェ)≫に行きました。

エギルこと本名アンドリュー・ギルバート・ミルズは、
人種的には生粋のアフリカン・アメリカンですが、
親の代からの江戸っ子でもあります。
SAOに囚われていたときには、
店は美人の奥さんがのれんを守り抜いたのだそうです。

和人が写真のことを問い質すと、
エギルは手のひらサイズのゲームのパッケージを和人に渡しました。

和人たちがSAOに囚われている間に発売された、
ナーヴギアの後継機である、
≪AmuSphere(アミュスフィア)≫というハードの、
≪ALfheim Online(アルヴヘイム・オンライン)≫というソフトでした。

アミュスフィアは、第二のSAO事件を起こさないよう、
ナーヴギアよりも出力が弱くなっており、
ナーヴギアと違ってプレイヤーの脳を焼き切ることはできない機種です。

プレイヤーが妖精になって空を飛べるVRMMOであり、
スキル制、プレイヤースキル重視、PK推奨が特徴なのだそうです。
いわゆるレベルはなく、魔法ありのSAOというところなのだそうです。

アルヴヘイム・オンライン(以下ALO)のプレイヤーの当面の目標は、
世界樹の上のほうにある白の種族に先駆けて到着することです。
滞空時間というのがあり、無限には飛べないのですが、
体格順に5人のプレイヤーが肩車して、
他段ロケット方式で木の枝を目指し、その証拠として何枚も撮った写真に、
鳥籠に囚われたアスナに似た少女が映っていたのでした。

ALOの運営は、レクトの子会社でした。

ALOのパッケージをエギルに貰い、自宅の部屋に戻った和人は、
ナーヴギアにALOのスロットを挿入して、ベッドに横たわって被り、
「リンク・スタート!」と言いました。

キリトと名前を入力し、男性のキャラクターを選びます。
妖精をモチーフにし、それぞれに多少の得手不得手がある9種族、
サラマンダー、シルフ、ノーム、ケットシー、レプラコーン、
ウンディーネ、スプリガン、インプ、プーカなどの中から、
黒を基調とした初期装備が気に入ったので、
キリトはスプリガンを選択しました。

最初はそれぞれの種族のホームタウンから
ゲームがスタートするはずだったのですが、
いきなり全ての映像がフリーズし、ポリゴンが欠け、世界が溶け崩れて、
キリトは広い暗闇の中を果てしなく落ち、
深い森の中に出現してしまいました。

ウインドウを調べると、≪二刀流≫を始め幾つか欠損していましたが、
SAOのスキルである≪片手剣≫、≪体術≫、≪武器防御≫、
≪釣り≫などが、SAOをクリアしたステータスで表示されていました。

アイテム欄は激しく文字化けしていましたが、
≪MHCP001≫というアイテムを選択し、ボタンを押しました。

すると、2巻3話の「朝露の少女」に登場したユイが出現しました。
≪MHCP001≫は、
あの時にオブジェクト化したユイのプログラム本体だったのでした。

感動の再会の後、ユイに簡単に状況を説明すると、
ユイは、この世界はSAOサーバーのコピーであり、
基幹プログラム群やグラフィック形式は完全に同一だと言いました。

セーブデータのフォーマットが同じなので、
2つのゲームに共通するスキルの熟練度を上書きしたのでしょう、
とユイは言いました。
アイテムは破損しているので、エラー検出プログラムに引っかからないよう、
アイテムは全て破棄しました。

ALOにもプレイヤーサポート用の擬似人格プログラム、
≪ナビゲーション・ピクシー≫が用意されており、
ユイはそこに分類されているのだそうです。

ユイはピクシーとしての姿である、10センチほどの妖精の姿になりました。
前のような管理者権限はなく、
リファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいしかできないのだそうです。

キリトは補助コントローラでの飛行方法をユイに教えてもらい、
簡単な飛び方を覚えます。
他のプレイヤーが近づいてきていて、3人が1人を追っているようだとユイが言い、
キリトはその場所に先導してもらいました。

場面が変わり、リーファというシルフの少女が、
レコンという少年と一緒に、
サラマンダーの敵の部隊から逃げているシーンになります。

しかし、敵の部隊に見つかり、リーファとレコンは闘うことにしました。
ところが、メイジ(魔法使い)の炎の魔法で、レコンは死んでしまいました。
SAOとは違うので、すぐにホームタウンで蘇生しますが、
リーファも死んでしまったら、貴重なアイテムを敵に奪われ、
死亡罰則(デスペナルティ)がついてしまいます。

ピンチでしたが、そこへ突然キリトが墜落してきました。

初期装備そのままのキリトを見て、リーファは逃げるように言いましたが、
キリトは逆にサラマンダーの3人のうち2人を倒してしまいました。

リーダーである最後の1人は、キリトには勝てないと認め、
自分の領地に帰っていきました。

キリトはリーファに、この世界のことを教えて欲しい、と頼みます。
シルフの領地のホームタウンであるスイルベーンに向かう前に、
補助コントローラなしで飛べる随意飛行をレクチャーしてもらいます。

キリトとリーファはどんどん加速しましたが、スイルベーンに着いてから、
キリトはランディングという着陸の仕方が分からないことに気づき、
風の塔の外壁に突っ込んでしまいました。

スイルベーンは、別名≪翡翠の都≫と呼ばれ、とても綺麗な街です。
リーファはレコンと再会しますが、キリトはレコンから、
スプリガンのスパイではないかと疑われてしまいました。

レコンから、リーファとパーティを組んでいたシグルドが待っている
と言われましたが、リーファは今日の狩りの稼ぎを全てレコンに預け、
キリトに一杯おごるのを優先しました。

酒場兼宿屋で、リーファは世界樹についてキリトに説明します。

このゲームで初期選択できる9種族の妖精には対空制限時間があり、
せいぜい10分しか連続して飛べませんが、
世界樹の上にある空中都市に最初に到達して、
≪妖精王オベイロン≫に謁見した種族は全員、
対空制限のない≪アルフ≫という高位種族に
生まれ変わることができるのだそうです。

世界樹の内側、根元のところにある大きなドームの頂上に入り口があり、
そこから内部を登るのですが、
そのドームを守っているNPCのガーディアン軍団が凄い強さで、
今まで色んな種族が何度も挑んでいますがあっけなく全滅していました。

それでもキリトが世界樹に行きたいと言うと、
リーファが案内してくれることになりました。
明日の午後3時に待ち合わせの約束をし、リーファはログアウトしました。
キリトも宿屋で寝落ちしてログアウトします。

現実に戻ったリーファ、桐ヶ谷直葉は、
キリトのことが気になっているのを自覚し、
胸の奥で無言の喚き声を上げました。

アニメでは、声が同じなのでバレバレでしたが、
原作小説では直葉とリーファが同一人物であることは、
この時点まで伏せられていました。

ちなみに、直葉(リーファ)は、
キリトの正体が和人であることに気づいていませんし、
和人の方もリーファの正体が直葉だとは気づいていません。

ここで回想です。
SAO事件から1年が経とうとした頃、
和人が愛した仮想世界を自分の目で見たい、と直葉は思い、
クラスで一番のゲームマニアと称されていた長田慎一に、
VRMMOのことを教えてほしいと頼みました。

勉強と剣道部の練習に割く時間を減らすわけにはいかないと直葉が言うと、
長田はALOを推薦し、直葉と一緒に始めました。
長田のキャラクターが、レコンです。

その頃、アスナは端から端まで20歩程度の円形の鳥籠に
閉じ込められていました。
SAOをクリアした後、アスナがこの場所で覚醒してから、
60日が経過しようといました。

ALOの世界では1日が16時間に設定されているため、
体内時計に従って起きても朝と夜が一致しませんでしたが、
アスナは目覚めるたびに、今日は何日め、と自分に言い聞かせていました。

妖精王オベイロンの恰好をした須郷伸之が現れ、
アスナのことをティターニアと呼びました。
須郷はアスナをこの場所に幽閉し、自分の伴侶になることを望んでいました。

須郷はフルダイブ機能を使い、人間の思考、感情、記憶までも制御する、
という研究をしており、そのための被験者として、
SAO事件の被害者300人をこの世界に拉致していました。

須郷は結城家の人間になりレクトの後継者となった後、
アメリカの某企業にレクトごと研究成果を売りつける、と言いました。
その話の途中、須郷は部下に呼ばれて鳥籠から出て行きました。

一方、学校に行った直葉は、レコンこと長田に話しかけられます。
シグルドたちが、今日の午後から海底洞窟に狩りに行こうって言ってた、
ということを長田が伝えると、直葉はしばらく参加できないと答えました。

直葉が家に帰り、ALOにログインすると、キリトは先に来ていました。

キリトはSAOで稼いだお金を大量に持っていたので、
そのお金でリーファが装備を見つくろってあげました。
キリトは巨大で重い剣を購入します。

塔の上から飛ぼうとして、エレベーターに乗ろうとすると、
そこでシグルドとその取り巻きに行く手を塞がれました。

シグルドはシルフ最強の剣士の座をいつもリーファと争う男で、
政治的にも実力者です。
現在のシルフ領主はサクヤという女性ですが、
シグルドはそのサクヤの側近としても名を馳せています。

リーファがシグルドのパーティを抜ける気だと知ったシグルドは、
自分勝手なことを言いましたが、仲間はアイテムじゃないぜ、
とキリトはシグルドに言いました。

キリト君は、あたしの新しいパートナーよ、
とリーファが言うと、シグルドは、領地を捨てる気なのか、と言いました。

解き放たれたいという欲求が急速に浮かび上がってきたリーファは、
ここを出ると言いました。
シグルドが捨て台詞を吐いて去っていくと、
リーファとキリトは塔の展望台に上がりました。

そこでレコンに声をかけられ、ちょっと気になることがあり、
少し調べたいから、レコンはしばらくシグルドのパーティに残る、
と言いました。

その頃、アスナは須郷ことオベイロンから、
桐ヶ谷和人と明日奈の病室で会った、と言われました。
キリトが生きている、と知ったアスナは、心の中でそのことを噛み締めました。

この世界の鏡は光学現象ではないので、アスナが泣くふりをしながら、
至近距離から鏡に眼を凝らすと、オベイロンが部屋を出るときに、
暗証番号を入力するのを見ることができ、その番号を暗記しました。

その頃、キリトはバーサクっぷりを見せて、
モンスターを次々と撃破していました。
午後7時になり、ここで一度、交替でログアウト休憩することになりました。

先に覚醒した直葉は、食事をとり、シャワーを浴びてALOに戻りました。
キリトもログアウトしましたが、すぐに戻ってきました。

キリトは誰かに見られたような気がした、と言いました。
トレーサーという追跡魔法がついている可能性もありましたが、
このフィールドではトレーサーを見つけることができないので、
解除は不可能でした。

≪ルグルー回廊≫という洞窟に入り、
洞窟が得意分野のスプリガンの灯りの魔法のスペルワードを唱え、
奥に進みます。

地底湖が近づいた頃、【やっぱり思った通りだった! 気をつけて、s】
というレコンからのメッセージが届きました。
また、ユイが、12人のプレイヤーが近づいている、と警告しました。

リーファは隠れる魔法を使いましたが、
サラマンダーの高位魔法のトレーシング・サーチャーを潰すと、
逃げることにしました。

しかし、土魔法の障壁が現れ、行く手を塞がれてしまいます。
サラマンダーの部隊に追いつかれたキリトは、
リーファにサポートに回ってもらい、敵と戦います。
しかし、向こうの部隊には後方にヒーラーがいるため、
このままだと勝ち目はありませんでした。

それでもキリトは諦めず攻撃し続け、ユイの提案で、
残りのマナ(MP)を全部使って、
プレイヤーの見た目をモンスターに変えるという幻影魔法を使いました。

変化する姿はプレイヤーの攻撃スキル値によってランダムに決定されます。
実ステータスの変動はないため、
普通なら実戦では全く使えない魔法なのですが、
攻撃スキル値が高いキリトは巨大な悪魔に変身し、
その見た目で敵を圧倒して、1人の男を残して敵を撃破してしまいました。

最後に生き残った1人に、キリトは、質問に答えてくれたら、
今の戦闘でゲットしたアイテムと金(ユルド)を全部あげると言いました。

男は、≪作戦≫の邪魔になるからと、サラマンダーの上の方から命令され、
キリトとリーファを狙ったことを白状しました。
すごい人数の軍隊が北に飛んでいくのも見たのだそうです。

男を解放し、ルグルーという地底都市に着いたリーファは、
レコンこと長田に連絡をとるためログアウトしました。

すぐに長田から電話がかかってきて、
シグルドは相当前からサラマンダーと内通していた、と言われました。
レコンが透明マントを被ってシグルドを尾行すると、
通行証アイテムを与えたサラマンダーと、
シルフ領内の地下水道で会っていたのだそうです。

今日、領主のサクヤはケットシーという種族と正式に同盟を調印するために、
極秘で中立城に出ているのですが、シグルドはサラマンダーの大部隊に、
その調印式を襲わせる気なのだそうです。
レコンはそこまで知ったところでサラマンダーに襲われ、
地下水道で麻痺したまま捕まっているので、
仕方なくログアウトしてリアルで直葉に電話していたのだそうです。

階段の場所を聞いた直葉は、すぐにALOに戻り、
急いで行かなきゃいけない場所がある、とキリトに言いました。

キリトは自分もリーファについていくと言い、詳しい事情を聞きます。
領主を討つのはそれだけですごいボーナスがあり、
討たれた側の領主館に蓄積されている資金の3割を無条件で入手できるし、
10日間、領内の街を占領状態にして税金を自由にかけられます。

それを知ったキリトは、リーファの手を引っ張って
猛烈なスピードで洞窟内を駆け抜けて脱出し、そのままの勢いで飛翔しました。

会談の場所が近づいてきましたが、サラマンダー軍はすでに近くにいて、
全員が逃げ切る余裕はありませんでした。

サラマンダーの1人がシルフとケットシーに攻撃しようとした瞬間、
キリトはその中央に着地し、「双方、剣を引け!」と叫びました。

サラマンダーの指揮官のユージーン将軍に向かって、キリトは、
自分はスプリガン=ウンディーネ同盟の大使だとハッタリをかましました。
会談が襲われたとなれば、
4種族で同盟を結んでサラマンダーに対抗することになる、とキリトは言いました。

ユージーンは、オレの攻撃を30秒耐え切ったら、貴様を大使と信じてやろう、
と言い、勝負を申し出ました。

サクヤによると、魔剣グラムを持つユージーンは全プレイヤー中最強の男らしく、
まずいな、とサクヤは言いました。

魔剣グラムには、≪エセリアルシフト≫という、
剣や盾で受けようとしても非実在化してすり抜けてくるエクストラ効果があり、
キリトは何度も攻撃を受けてしまいます。
30秒が経過しても、やっぱり斬りたくなった、首を取るまでに変更だ、
とユージーンはいい、戦闘を続けます。

キリトはスペルワードを詠唱し、真っ黒な煙で視界を覆うと、
リーファの剣を借り、太陽を背にしてユージーンに斬りかかります。
キリトは二刀流で魔剣グラムを打ち破り、ユージーンを殺しました。

サクヤに蘇生魔法をかけてもらったユージーンは、負けを認めました。
また、昨日リーファを襲ってキリトに返り討ちにされた、
カゲムネというサラマンダーのプレイヤーが、
その時に見逃してもらったお礼のつもりか、
キリトがウンディーネと一緒にいるのを見た、と言いました。

それを聞いたユージーンは、そういうことにしておいてやろう、と言い、
部隊を引き連れて帰って行きました。

リーファは、サクヤや、ケットシー領主の女性のアリシャ・ルー達に、
事情を説明しました。

もうすぐ導入される≪転生システム≫で、シグルドは、
サラマンダー領主のモーティマーに頼み、
サラマンダーに転生させてもらうつもりだったのだろう、
とサクヤは説明しました。

アリシャ・ルーの闇魔法≪月光鏡≫でシグルドと連絡をとったサクヤは、
シグルドをレネゲイド(追放者)としてシルフから追放しました。

キリトは、俺がこの世界に来たのは、世界樹の上に行きたいからなんだ、
と言い、世界樹攻略のため、サクヤとアリシャ・ルーに、
10万ユルドミスリル金貨という超大金を渡しました。

キリトとリーファはサクヤ達と別れ、世界樹を目指して再び飛翔しました。

というあらすじなのですが、SAOを攻略してしまった後も、
引き続き面白いですね。

3巻はここで終わり、4巻に続きます。

川原礫「ソードアート・オンライン2 アインクラッド」4話「赤鼻のトナカイ」のネタバレ解説

2023年12月、SAOに閉じ込められてから、
2度目のクリスマスが近づいたころ。

キリトは、最も効率よく経験値稼ぎができるスポットで、
他のプレイヤーから笑い者にされながら、
何時間も経験値稼ぎをしていました。

見かねたクラインが、キリトのことを心配して話しかけてきました。
クラインは、SAO以前からの友人たちと風林火山というギルドを結成し、
そのリーダーになっていました。

情報屋のアルゴから、キリトがクリスマスボスの情報を買ったことを、
クラインもアルゴから情報を買って知っていました。

12月24日夜24時ちょうど、どこかの森にある樅(もみ)の巨木の下に、
背教者ニコラスという怪物が現れ、倒すことができれば、
蘇生アイテムが手に入る、というクエストの情報が流れていました。

キリトは、半年前に自分以外全滅したギルドのことが忘れられず、
単独でクリスマスボスに挑もうとしていました。

ここで回想です。
SAOが始まってから5ヶ月ほど経過したある春の夕暮れ、
キリトは当時の前線から10層も下の迷宮区に、
武器の素材となるアイテムの収集を目的に潜っていました。

その時、ギルド≪月夜の黒猫団≫の5人のメンバーが
モンスターに追われているのを見て、助けてあげました。

敵は、キリトなら楽勝で倒せる武装ゴブリンでしたが、
自分の本当のレベルを知られてビーターと嘲られるのを恐れて、
キリトはわざと時間をかけてゴブリンを倒しました。

主街区に戻って酒場で話をします。
レベルを聞かれたキリトは、彼らの平均レベルより3ほど上で、
本当のレベルの20も下の数字を答えました。

リーダーのケイタは、月夜の黒猫団に入ってくれないか、
とキリトを勧誘しました。

月夜の黒猫団は前衛が足りず、
戦っているうちにジリ貧になってしまうことが多かったのですが、
サチという黒髪の槍使いの女の子を盾持ち片手剣士に転向させようと
ケイタは考えていて、サチをコーチしてやってくれないかなあ、
と頼まれました。

ケイタ達は、現実ではみんな同じ高校のパソコン研究会の
メンバーなのだそうです。

キリトは仲間に入れてもらい、それとなく彼らを誘導して、
最大限の効率を叩き出し続けることで、
黒猫団の平均レベルは完全にボリュームゾーンから頭ひとつ抜け出し、
キリトの加入時には10あった前線層との差は、
短期間で5にまで縮まりました。

ただし、キリトは深夜になると宿屋を抜け出し、
最前線に移動してソロでレベル上げをし、
黒猫団メンバーとのレベル差を拡大させていました。

サチの盾剣士転向計画だけは、はかばかしくありませんでした。
サチは大人しい、怖がりな性格で、前衛に向いているとは思えませんでした。

ある夜、サチの姿が消えました。

キリトは他の仲間には内緒で、
索敵スキルから派生する上位スキルの≪追跡≫を使い、
サチが主街区のはずれの水路に隠れているのを発見しました。

サチはキリトに、一緒にどっか逃げよ、死ぬの怖い、と言いました。

君は死なない、とキリトが繰り返すと、サチは少しだけ泣きました。

翌日の夜から、サチは夜が更けるとキリトの部屋にやってきて、
キリトに、君は死なない、と言ってもらってから眠るようになりました。

しかし、それからたった1ヶ月足らずの後、サチは死にました。

その日、ケイタは、目標額に達したギルド資金の全額を持って、
ギルドハウス向けの小さな一軒家を買いに行きました。

やがてメイサーのテツオが、ケイタが帰ってくるまでに、
迷宮区で金を稼ごうと言い、最前線から僅か3層下のフロアに行きました。

レベル的には安全圏内だったので、順調な狩りが続きましたが、
シーフ役のメンバーが宝箱を見つけて開け、
アラームトラップを発動させました。

アラームを聞いたモンスターが怒涛のように押し寄せてきて、
キリトは全員に転移クリスタルで緊急脱出しろと叫びましたが、
その部屋はクリスタル無効エリアに指定されていて、
全員がパニックになりました。

サチは、HPを全て失うその瞬間、キリトに向かって右手を伸ばし、
何かを言おうと口を開きました。
その瞳に浮かんでいたのは、すがり付くような痛々しいまでの信頼の光でした。

1人だけ生き残ったキリトは、宿屋に戻り、
隠していたことも含めて、ケイタに全ての事情を説明しました。

ケイタは、ビーターのお前が、僕たちに関わる資格なんてなかったんだ、
とキリトに言い、アインクラッド外周部から無限の虚空へと身を躍らせ、
自殺しました。

回想終わりです。

蘇生アイテムを手に入れるため、無謀なまでのレベル上げをしたキリトは、
35層にある迷いの森で見つけていたモミの巨木に行こうとしました。

しかし、クラインがキリトを尾行してきていました。
クラインは合同パーティーを組もうと言いましたが、
蘇生アイテムはドロップさせた人の物になってしまうので、
キリトは断りました。

さらに、クラインも尾行されていて、
30人以上の≪聖竜連合≫の連中がやってきました。

クラインが聖竜連合を喰いとめている間に、キリトはモミの巨木のところに行き、
背教者ニコラスと戦いました。

キリトのHPは初めて赤の危険域に突入しましたが、
何とかボスを倒すことができました。

蘇生アイテム≪還魂の聖晶石(かんこんのせいしょうせき)を手に入れましたが、
それは、「対象プレイヤーが死亡してからその効果光が完全に消滅するまでの間、
およそ十秒間しか効果のないものでした。

キリトは絶叫し、クラインのところに戻ると、蘇生アイテムをあげました。

宿屋に戻り、朝の7時になると、サチとのアイテム共有タブでアラームが鳴りました。
それは、タイマー起動のメッセージ録音クリスタルでした。

キリトがこれを聞いてる時、私はもう死んでると思います、
というサチの声が聞こえました。

自分が死んでもキリトのせいじゃないと伝えるために、
サチはメッセージを録音していたのでした。

サチは、キリトのベッドで目を覚ました時、キリトが開いてるウインドウを覗き、
キリトの本当のレベルを知っていました。

私が死んでも、キリトはがんばって生きてね、とサチは言い、
余った時間で≪赤鼻のトナカイ≫を歌いました。


というあらすじなのですが、今回はキリトにとってトラウマ回でしたね。

キリトはこの後もずっとサチ達のことを引き摺り続けることになります。

2巻はこれで終わりなのですが、1巻では女性プレイヤーがアスナしかいなかったのに、
2巻では怒涛の勢いで女性キャラが増えて、ハーレム状態になってしまいましたね。

3巻以降も、キリトハーレムは拡大する一方です。

川原礫「ソードアート・オンライン2 アインクラッド」3話「朝露の少女」のネタバレ解説

1巻の終盤、22層でキリトとアスナが結婚していた時のエピソードです。

2024年10月、この辺の森が深くなっているところで、
幽霊が出る、という噂をキリトは聞きました。

アスナはキリトに肩車をしてもらい、その場所に行きます。

すると、本当に白いワンピースをまとった、8歳くらいの幼い幼女がいました。
しかし、その幼女はキリト達の目の前で倒れて気絶し、実体がありました。

ただし、通常アインクラッドに存在する動的オブジェクトなら、
プレイヤーにせよモンスターにせよNPCにせよ表示されるはずの、
カラー・カーソルが出ませんでした。

幼女を家に連れて帰り、その晩は寝ました。

翌朝、幼女は目を覚まし、アスナにしか聴こえないはずの
起床アラームに合わせてハミングしていました。

幼女はユイと名乗りましたが、それ以外の記憶はなく、
精神にダメージを受けているような様子がありました。

ユイは、キリトのことをパパ、アスナのことをママ、と呼び、
アスナはそれを受け入れました。

ユイにウインドウを出してもらい、可視モードにしてもらって、
ウインドウを見ると、プレイヤーとは思えない異常な画面でした。

ユイのことを知っている人を探そうと、第1層のはじまりの街に行きます。

ここでアスナの回想があります。
厳格な両親に育てられたアスナは、兄が買ったナーヴギアとSAOを、
兄が出張に出かけた1日だけ使うつもりでSAOにログインし、
事件に巻き込まれました。

受験シーズンの中学3年生の冬であり、
パニックになったアスナは2週間宿に閉じこもった後、
周囲の人々の心を繋ぎとめておくためには、
事件を解決した英雄になるしかないと決意し、フィールドに出ました。

ここで「黒髪の剣士」と出会ったのは2年前ではなく1年前という文があり、
プログレッシブ編と矛盾していますが、
この「黒髪の剣士」はキリトのことではない可能性もあります。
まあ、プログレッシブ編は基本的に後付けなので、
その辺の細かい矛盾には目を瞑りましょう。

回想終わりです。

はじまりの街には、フィールドに出るのを恐れ、
売っても5コルにしかならない果実が落ちるのを待ち続ける男がいました。
その男から、東七区の川べりの教会に子供のプレイヤーが集まって住んでいる、
という話や、昼間はアインクラッド解放軍の徴兵部隊に出くわすかもしれないから、
みんな宿屋の部屋に閉じこもっているという話を聞きました。

その教会に行くと、大きな眼鏡をかけた20歳前後の女性と、
12歳から14歳くらいの、何人もの子供たちがいました。

子供たちの面倒をみているサーシャという女性は、
2年間ずっと、毎日1エリアずつ全ての建物を見て回って、
困っている子供がいないか調べていましたが、
ユイのことは知らないと言いました。

教会の生活費は何人かの年長の子がフィールドでモンスターを倒し、
稼いでくれているのですが、今はじまりの街に残っているプレイヤーは、
フィールドでモンスターを狩るのは自殺行為だと考えている人ばかりなので、
サーシャ達は相対的にこの街の平均プレイヤーよりお金を稼いでいることになり、
軍に目を付けられてしまっていました。

東五区の道具屋裏の空き地で、軍が10人くらいで通路をブロックしている、
と助けを求めた少年がいて、キリトとアスナは助けに行きました。

街の圏内では、犯罪防止コードのおかげで他のプレイヤーにダメージを与えたり、
無理矢理移動させたりすることはできないのですが、
それを利用して行く手を阻もうとする悪意のプレイヤーもいました。

キリトとアスナは軍メンバーの頭上を飛び越えて、
閉じ込められていた子供たちのところに駆けつけました。
アスナは≪圏内戦闘≫で、軍のメンバー達に剣撃を浴びせ、
システムカラーの発光と衝撃音で、軍のメンバー倒しました。

それを見たユイは何かを思い出した様子で、
ずっと、ひとりで、くらいところにいた、こわい、と言いました。

その夜は協会に泊めてもらいました。
翌朝、ユリエールという長身の女性プレイヤーが教会を訪ねてきました。
ユリエールも軍に所属していますが、他のメンバーとは違い、
サーシャ達に好意的でした。

軍は最初はギルドMTDという名前だったのですが、
かつてのサブリーダーで現在の実質的支配者の、
キバオウという男が実権を握ってから軍に改名した、
という事情をユリエールは話しました。

MTDは、日本最大のネットゲーム総合情報サイト≪MMOトゥデイ≫の管理人の、
シンカーという人物が作ったギルドだったのですが、
最近ではシンカーは飾り物状態で、キバオウ派のプレイヤー達は、
徴税と称して恐喝まがいの行為を始めたのでした。

資材の蓄積だけにうつつを抜かして、
ゲーム攻略をないがしろにし続けるのは本末転倒だろう、
という声が末端のプレイヤーの間で大きくなり、
キバオウは配下の中で最もハイレベルのプレイヤー十数人で、
最前線のボスを倒そうとしましたが、結果は敗退でした。

無謀さを糾弾されたキバオウをもう少しで追放できるところまで行きましたが、
キバオウはシンカーを罠にかけました。

キバオウはダンジョンの奥深くに設定してある回廊結晶を使い、
1人で突破して戻るのは不可能な状態にしました。

シンカーはもう3日もダンジョンの奥深くに閉じ込められており、
ユリエールはキリトとアスナに助けを求めたのでした。

ユリエールはうそついてない、というユイの言葉を信じ、
キリトとアスナはシンカー救出に協力することにしました。

問題のダンジョンは、上層攻略の進み具合によって解放されるタイプのもので、
はじまりの街の地下にありました。

60層クラスのモンスターを倒して、どんどん先に進み、
安全地帯に隠れているシンカーを発見しました。

ユリエールはシンカーに駆け寄りますが、
死神のようなボスモンスターはユリエールに襲いかかろうとしました。

キリトは恐ろしい速度でダッシュしてユリエールを助けた後、
アスナに、今すぐ他の3人を連れてクリスタルで脱出しろ、と言いました。

ボスの強さは90層クラスだったのです。
キリトはアスナに逃げろと言いましたが、アスナはキリトを助けるため、
残って戦うことにしました。

ボスは圧倒的な強さでしたが、そこにユイが近づいてきました。
ユイには、「 【Immortal Object】、不死的存在というシステムタグがあり、
ユイは身の丈を超える剣を出現させてボスを倒しました。

記憶を取り戻したユイは、自分は≪カーディナル≫という、
問題を抱えたプレイヤーのために試作された、
≪メンタルヘルス・カウンセリングプログラム≫、
コードネーム≪Yui≫だったのだと言いました。

つまり、ユイはAIだったのですが、SAOがですゲームとなってからは、
プレイヤーに一切干渉できなくなり、
プレイヤーの負の感情をモニタリングし続けるうちにエラーを蓄積させ、
崩壊してしまったのでした。

しかし、キリトとアスナは、
他のプレイヤーとは大きく異なるメンタルパラメータを持っていたので、
その2人の近くでシステムコンソールで実体化し、
彷徨うようになっていたのでした。

ユイは、ずっとキリトやアスナと一緒にいたいと言いました。
しかし、ユイが記憶を取り戻したのは、安全地帯にあった、
GMがシステムに緊急アクセスするために設置されていた
黒いコンソールに触れたからでした。

それのおかげでボスを倒せましたが、同時に、
今まで放置されていたユイにカーディナルが注目してしまったので、
ユイは消去されてしまうことになりました。

ユイはキリトとアスナにお別れを言いますが、
キリトは黒いコンソールに飛びつき、ホロキーボードを叩いて、
GMアカウントでシステムに割り込み、
ユイのプログラム本体をシステムから切り離してオブジェクト化しました。
ゲームがクリアされたら、キリトのナーヴギアのクライアントプログラムの
環境データの一部としてローカルメモリに保存されるようになっていました。


救出されたシンカーは、キバオウと彼の配下を除名し、
蓄積した資材をこの街の住民に均等に分配してから、
軍自体を解散すると言いました。

というあらすじなのですが、今回、
キリトさんにはシステムエンジニア的才能もあることが発覚しましたね。

これでモテないわけがないです。

川原礫「ソードアート・オンライン2 アインクラッド」2話「心の温度」のネタバレ解説

2024年6月の話です。

リズベットという少女は、48層主街区≪リンダース≫に、
水車付きの鍛冶屋、≪リズベット武具店≫を開きました。

リズベットはアスナの友人で、アスナによって、
ベビーピンクのふわふわの髪の毛にカスタマイズされていました。

SAOにログインしたときは15歳でした。

ある日、アスナがリズベットのお店にレイピアを研いでもらいに来て、
好きな人がいるという意味のことを言われました。
ウチの宣伝、よろしく! とリズベットは言いました。

翌日の午後、寝ている時にキリトがリズベットの店にやってきました。
リズベットとは初対面です。

キリトは、予算は気にしなくていいから、
今作れる最高の剣を作って欲しい、と依頼しました。

参考としてキリトが既に持っていた、とても重い剣を渡され、
この剣と同等以上の性能の剣が欲しい、と言われます。

今リズベットの家にある最高の剣を渡すと、キリトは、
その剣に自分の剣を打ち下ろし、
リズベットの剣をへし折ってしまいました。

怒ったリズベットは、材料さえあれば、
キリトの剣なんかぽきぽき折れる剣を鍛えられると言い、
金属を取りに行くところから付き合ってもらうことになりました。

10日ほど前から、55層の片隅にある小さな村で、
西の山に住む白竜は毎日餌として水晶を齧り、
その腹で精製して貴重な金属を溜め込んでいる、
というクエストの噂が流れていました。

しかし、色々なパーティーがそのクエストに挑戦しましたが、
白竜を倒しても金属を手に入れることはできませんでした。

キリトとリズベットは早速、その村に行きましたが、
55層のフロアのテーマは氷雪地帯で、リズベットは寒い思いをしました。

その村の長老から話を聞いてフラグを立てましたが、
長老の話は長く、終わった時には夕方になっていました。

そのままドラゴンを倒しに行き、
キリトは圧倒的な強さでドラゴンに勝つ寸前になりました。

しかし、キリトの強さを称えようとしたリズベットが、
それまで隠れていた水晶柱の陰から一歩踏み出すと、
ドラゴンは突風攻撃をし、
リズベットは山頂に開いていた巨大な穴に落ちてしまいました。

リズベットを助けようと、キリトが手を伸ばしてリズベットの手を掴み、
身体を引き寄せ、剣を壁に突き立ててスピードを落とし、
何とか助かりました。

しかし、結晶無効化空間だったため、転移結晶を使うことはできません。
キリトは壁を走って上ろうとしましたが、途中で落ちてしまいました。

ひとまず穴の底で野営することになり、
キリトは野営用ランタンや手鍋やマグカップや寝袋を出しました。

さっき助かる保証はなかったのにリズベットを助けたのはなぜか、
とリズベットが訊くと、キリトは、
誰かを見殺しにするくらいなら、一緒に死んだほうがましだ、と答えました。

その温かい言葉を聞いて、リズベットは、
胸の奥がぎゅーっと締め付けられました。

それぞれ別の寝袋に入ったままキリトに手を握ってもらい、
人間の温かさを感じながら、リズベットは眠りました。

翌朝、キリトは、≪クリスタル・インゴット≫という金属が
雪に埋もれているのを発見しました。

この縦穴はトラップではなく、ドラゴンの巣であり、
この金属はドラゴンの腹の中で精製された、ンコだったのでした。

朝になったことで、ドラゴンが巣に帰ってきますが、
キリトはリズベットの左手を掴んで抱き寄せ、
ドラゴンの尻尾に掴まりました。

ドラゴンは両の翼を広げると、凄まじいスピードで急上昇し、
穴から脱出することができました。

リズベットはキリトに、あたし、あんたのことが好き!!
と告白しましたが、風の音のせいでキリトには聞こえませんでした。

水車のあるお店に戻り、持ち帰ったインゴットで片手用直剣を作り、
≪ダークリパルサー≫という新しい剣が完成しました。

いい剣だと褒めてくれたキリトに、どうして既に剣があるのに、
2本も必要なのかとリズベットは訊きました。

キリトは、2本の剣でシステムに規定された剣技を見せました。

リズベットは新しい剣の鞘を見繕うと、剣の代金はいらないから、
自分をキリトの専属スミスにしてほしい、
攻略が終わったら、ここに来て、装備のメンテをさせて、
毎日、これからずっと、と告白同然のことを言いました。

しかし、そのタイミングで、アスナが店に入ってきて、
アスナの好きな相手がキリトで、
アスナが紹介したからキリトがリズベットの店に来たのだと判明しました。

リズベットは、仕入れの約束があった、と言って店を飛び出し、
店から離れた場所で泣いていました。

すると、キリトが街の中心部にある教会の尖塔から街じゅう眺めて、
リズベットのところにやってきました。

キリトは、昔ギルドメンバーを全滅させたことがあり、
それ以来パーティーを組むのを避けていました。
しかし、昨夜、リズベットと手が温かくて、この人は生きてるんだ、
誰だって生きるために生きているんだ、と思えたのだとキリトは言いました。

リズベットも、この世界でホントの何かを探していて、
自分にとってキリトの手の温かさがそれだったのだと言いました。

それから5ヶ月後、仕事をしていたリズベットは、
鐘のようなアラームのような音を聞きました。
店番NPCが消え、11月7日14時55分に、ゲームがクリアされ、
プレイヤーはログアウトされるというアナウンスが流れました。

リズベットは75層にいるはずのキリトに向かって、
愛してる!! と叫びました。

というあらすじなのですが、完全にアスナさんが正妻という感じなので、
リズベットが可哀相でした……。
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