石崎幸二「皇帝の新しい服」のネタバレ解説

皇帝の新しい服 (講談社ノベルス)

この「皇帝の新しい服」は石崎&ミリア&ユリシリーズの9冊目です。

いきなり表紙がライトノベルっぽくなっていて驚きましたが、
中身はいつもと変わらず、石崎、ミリア、ユリ、仁美たちが、
お馬鹿なことを言いつつ事件を解決していくユーモア・ミステリーです。

ちなみに、えーと……髪の長い美少女がミリアで、
短い方がユリで合ってますよね……?
表紙のイメージが変わった結果、
売り上げがどれだけ変わるのか気になるところですが、
それはさておき、「皇帝の新しい服」というのは、
「裸の王様」の原題を日本語に直訳したものです。

石崎は海鮮目当てのミリアとユリに騙され、
仁美の紹介で婚礼式に出ることになりました。

その婚礼式は、瀬戸内海の錠前島で行われます。
4人の花婿候補たちは、島の東西南北にある小屋に泊まるのですが、
夜10時になったら、花婿候補は事前に渡されていた鍵を使い、
鍵を開けます。

しかし、ちゃんと開く鍵は1つだけなので、花嫁の本命以外は翌日、
鍵を開けてもらうまで小屋の中で過ごすことになる、という儀式です。

これだけ聞けば、何ということのない儀式なのですが、
過去には何人もの死者が出ていました。

約25年前に、美蔵知子の花婿を決める婚礼式で、
毎年のように事件が発生します。

第1の事件では、細田信吾以外の3人の花婿候補が、
睡眠薬を盛られて眠りこけていたのですが、
不幸な偶然が重なり水位が上昇したため、
海岸沿いにある小屋に浸水し、溺死していました。

唯一助かった細田も、犯人扱いされたため姿を消しました。

第2の事件には4人中3人に脅迫状が届き、
脅迫状が届かなかった男も含めて4人全員が婚礼式を辞退しました。

第3の事件では4人中3人に脅迫状が届きます。
脅迫状が届いた男のうち1人だけが婚礼式に参加しましたが、
殺されてしまいます。

第4の事件では、やはり4人中3人に脅迫状が届きます。
そのうち脅迫状が届かなかった健一だけが参加し、
美蔵知子と結婚しました。

知子と健一は、恵理と伸治という2人の子どもを授かりますが、
知子と健一は物語が始まった時点で故人となっています。

そして、約50年前の第0の事件と言うべき婚礼式では、
邦子の本命だった男が借金のせいで逃げ出し、
美蔵武治(たけじ)が邦子と結婚していました。

その後、武治は親から継いだ会社を、
殆ど一代で大企業にまで成長させ、
「皇帝」とまで呼ばれるようになりました。

そして、美蔵恵理の花婿を決めるための婚礼式に出席した石崎でしたが、
やはり今年も事件が起こります。

脇田昭男という老人が石崎たち花婿候補の鍵を使えないようにしたり、
細田信吾が仁美を人質にして婚礼式を台無しにしようとしたりと、
色んな事件が起こりますが斉藤たち警察のおかげで、
今年は事件は未然に防がれました。

その後、睡眠薬を盛られた花婿候補と、そうでない花婿候補、
脅迫状を送られた花婿候補と、そうでない花婿候補、
彼らの違いは何なのかと皆で頭を悩ませ、
ミッシング・リンクは血液型であると気付きました。

一般に知られている血液型はA型、B型、O型、AB型の4つですが、
実はA型はさらにAA型とAO型、B型はBO型に分けられるのです。

睡眠薬を盛られなかったり、脅迫状を送られなかったりした花婿候補、、
つまり犯人にとって都合のいい花婿候補は、みんなAA型でした。

ちなみに、美蔵武治や邦子もAA型です。
このことから、知子はAA型の邦子とO型の脇田昭男が
不倫して生まれた子どもなのではないか、とミリアは推理します。

知子は既に亡くなっているため、
武治とその孫の恵理がDNA鑑定をするのですが――、
武治と恵理は本当の孫という鑑定結果が出てしまいました。

その結果を知った石崎は、やはり知子は武治の娘ではないが、
健一こそが武治の息子である、という驚くべき推理をします。

武治は自分を裸の王様に例え、
25年間血の繋がらない知子を自分の娘だと思って育てていた裸の王様だと、
他人から笑われないようにするために、健一を捜し出してきて知子と結婚させ、
新しい服を身にまとったのだと告白しました。

そして今回も、斉藤が石崎にビンタして終わりました。


……というあらすじなのですが、
やはり今回もレギュラー・キャラクター以外は出番もセリフも非常に少なく、
空気であるという、このシリーズ特有の欠点は直っていませんでした。

しかし、今回は事件の大部分が過去の出来事であったことから、
あまり気になりませんでした。
このシリーズ特有の欠点を埋めるのにこんな方法があったのか、と感心しました。

ただ、お約束とはいえ、
いい加減斉藤のビンタで終わるのは飽きてしまいました……。
DNAネタに関しては毎回違う切り口なので別にいいのですが、
ビンタはちょっと……。

例えば、男の刑事が自分の悪口を言った女を殴ったら大問題ですよね。
そういう意味では、斉藤は自分が女であることに甘えていると言えます。

というか、ラブコメなどでもよくありますが、
男が女を殴ったら物凄く非難されるのに、
女が男を殴っても許されるという風潮には納得いかないんですよね。

性別に関係なく、暴力は駄目だろ、としまうましたは思います。
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