湊かなえ「告白」第6章「伝道者」のネタバレ解説

5章のラストで修哉に電話をしたのは、修哉の母親ではなく、
森口悠子でした。

修哉がウェブサイト上に掲載した、ママへのラブレターを、
森口は読んでいて、「馬鹿ですか?」と、
読者の声を代弁してくれました。

第1章の終業式の日の朝、森口は確かに、
眠っている夫、桜宮正義から血液を採取し、学校に持って来て、
修哉と直樹の牛乳パックに注射器で血液を混入しました。

森口のとった方法では、HIVに感染する確率は極めて低い、
ということは森口も最初からわかっていましたが、
ゼロではない限り、正しい裁きが下されると信じていました。

それからひと月後の4月の終わり、
最期の時を迎えた桜宮は、驚くべきことを告白しました。

終業式の日、森口が桜宮の血液を採取したことに、
桜宮は気付き、学校に行きました。
桜宮は、森口が牛乳パックに血液を混入しているのを知り、
新しいものに取り替えたのだそうです。

憎しみを憎しみで返してはいけない、
それで心が晴れることなど、絶対にないはずだ、
彼らはきっと更生することができる、そう、信じてやってくれ、
と言い、桜宮は死にました。

聖職者、という言葉が本当にあるのだとすれば、
彼にこそふさわしいのかもしれません、と森口は言いました。

生まれてすぐに母親を病気で亡くし、
父親が小学五年生のときに再婚し、
継母との折り合いも悪く、家出を繰り返すようになった、
という桜宮の人生を、森口は修哉に語ります。

しかし、森口は、死の瞬間まで、親であるよりも、
教師であろうとした桜宮を許せず、
桜宮に守られた修哉や直樹のことも許せませんでした。

桜宮の教え子で、森口とも1年かぶっていた寺田良輝が、
桜宮の葬儀の場にやってきて、
修哉と直樹のクラスの担任になったと報告されました。

2年B組の様子を聞いた森口は、
もしも桜宮であればこうするのではないか、
と寺田にアドバイスをし、陰から寺田を操って、
修哉と直樹を追いつめていたのでした。

森口は、直樹に対しては
十分に復讐を果たすことができたと思っていました。

修哉が馬鹿な計画を思いつかなければ愛美は死ぬことはなかった、
修哉も直樹も、最終的には苦しみながら死ねばいいと思っているが、
どちらか1人憎い方を選べと言われれば、修哉を選ぶ、
という意味のことを森口は言いました。

寺田から、いじめは解決したという報告を受けた森口は、
無駄だとは思いながらも、
毎日、修哉のウェブサイトもチェックしていました。

そして、更新された「遺書」を読んだ森口は、
修哉がどう思おうと、修哉の人格は、
母親以外の人物を認めようとしない修哉が作り出したものであり、
犯罪を犯したのは、誰のせいでもなく、あなたのせいなのです、
と言いました。

修哉の母親のことは、自分の欲求が満たされないために、
幼い子供に手を上げ続け、欲求が叶えられた途端、
その場限りの無責任な愛情を残して去っていった、
身勝手な人間だという意味のことを森口は言いました。

あなたの世界に、あなたと愛するママしか存在しないのなら、
ママを殺しなさい、と森口は言いました。

修哉の作った爆弾は、一定の温度下では機能が停止するという特徴があり、
森口は「爆弾を解除して、急速冷凍させて運び、
修哉の母親のいるK大学理工学部に新たに爆弾を設置していました。

森口ははっきりとは語っていませんが、修哉の母親に睡眠薬を飲ませるとか、
手足を拘束するとかして、逃げられないようにしていたのでしょうね。

爆弾を作ったのも、スイッチを押したのもあなたです、
これが本当の復讐であり、あなたの更生の第一歩だとは思いませんか?
と森口が修哉に問いかけたところで、この話は終わります。


というあらすじなのですが、「告白」はこれで完結です。

しまうましたは、「聖職者」の桜宮よりは、
森口の気持ちの方に感情移入してしまいますね……。

桜宮の善意の押しつけがましさは、
直樹の母親に通じるものがあるような気がします。
牛乳パックを取り替えたところまではいいですが、
その後、すぐに警察に通報しろよ、と思いました。

新人賞に応募されたのは最初の第1章の「聖職者」だけで、
2章以降は後付けだとは思えないくらい、
連作短編あるいは長編小説としてまとまっていたのではないかと思います。

同じ場面を、森口、直樹の母親、直樹、修哉と、
何度も何度も繰り返し描写されるのには、少しうんざりしてしまいましたが、
その欠点が、デビュー2作目以降では改善されているのが凄いですね。

湊かなえ「告白」第5章「信奉者」のネタバレ解説

5章は、修哉が「天才博士研究所」というウェブサイトに書いた、
遺書の文面が書かれています。

修哉は、父親のことも直樹のことも、クラスメイトのことも、
美月のことも、馬鹿だと考えていました。
修哉が唯一尊敬しているのは、修哉の母親だけでした。

8月31日に、修哉は学校に爆弾を仕掛けました。

明日は2学期の始業式で、全校生徒が体育館に集合します。
1学期に書いた作文が、県の最優秀賞に選ばれ、
ステージに上がった修哉は短く別れを告げ、爆弾のスイッチを押し、
多くの人を巻き添えにして木端みじんに吹っ飛ぶ予定でした。

修哉はその動機を、遺書に書きます。

帰国子女であり、日本のトップクラスの大学の博士課程で
電子工学を専攻していた修哉の母親は、研究で壁にぶちあたり、
時を同じくして交通事故に遭ってしまいました。

それを助けてくれたのが、田舎の電器屋の店主である、
修哉の父親でした。

それをきっかけに2人は結婚し、修哉が生まれました。

母親は修哉に、断念してしまった研究を、繰り返し説明しているうちに、
何か閃くものがあり、修哉の父親に内緒で論文を書き上げ、
それをアメリカの学会に送りました。
修哉が9歳のときでした。

しばらくすると、母親がいた研究室の教授の男が、
母親に大学に戻るよう説得しにきましたが、
子供を置き去りにして出て行くことはできないと言い、
母親は申し出を断りました。

あんたさえいなければ、と母親は修哉に手を上げるようになりました。
しかし、感情を爆発させた日の夜は、必ず部屋にやってきて、
修哉の頭を撫でながら、ごめんね、ごめんねと涙を流し続けていたので、
修哉は、頬が腫れても、手足に痣ができても、
母親を憎いとは思いませんでした。

愛する人を、自分の存在により苦しめていることがつらくてたまらなくなり、
修哉は自殺を考えましたが、父親が虐待に気付き、
10歳のときに両親の離婚が成立し、母親は家を出て行くことになりました。

離婚が決まってからは、母親はいっさい手を上げなくなり、
食事は修哉の好物ばかりが並びました。

別れの前日、ショッピングセンターに行きました。
そのショッピングセンターは、
後に修哉が直樹と「わたうさちゃん」のポシェットを買いに行く場所です。

母親は、何十冊もの本と、最新のゲーム機を買ってくれました。

別れるときには、修ちゃん、ママは約束事で、修ちゃんに会いに行ったり、
電話をかけたり、手紙を書くことは禁止されているの、
でもね、修ちゃんはたった1人のママの子だもの、
修ちゃんに何か起これば、ママは約束を破ってでも駆けつけるからね、
と修哉の母親は言いました。

翌年、父親は美由紀という同級生と再婚しました。
美由紀は、最初は修哉のことを実の子供のように扱っていましたが、
妊娠すると、修哉を祖母の家だった川沿いの平屋に、
修哉の勉強部屋を作ると言って、修哉を隔離しました。
空になった部屋には、真新しいベビーベッドが置かれていました。

修哉は、母親が別れの前日に選んだ『罪と罰』や『戦争と平和』を読みます。

電器屋の倉庫として使われている家の中を宝の山だと考え、
修哉は勉強部屋を「研究室」と呼ぶようになり、
発明品第一号、逆回り時計を完成させましたが、周囲の反応は薄いものでした。

母親の住所も電話番号も知らなかった修哉が、
唯一知っているのは、勤務しているであろう大学だけでした。

そこで、自分のウェブサイト『天才博士研究所』を開設し、
母親からコメントが書き込まれるのを期待して、
大学のウェブサイトのコメント欄に、
自分のウェブサイトのアドレスとメッセージを書き込みました。

しかし、母親からのコメントはありませんでした。

中学生になり、担任の森口に少し交換を覚えた修哉は、
「びっくり財布」を森口に見せますが、修哉は森口の反応に失望しました。

しかし、その直後、「全国中高生科学工作展」の審査員に、
瀬口喜和(せぐち・よしかず)という人物がいるのに目を留めました。

瀬口は、母親がいるであろうK大学理工学部電子工学科教授でした。

「びっくり財布」を工作展に応募し、入賞し、
地元の新聞記者から、インタビューを受けました。

しかし、その日、「ルナシー事件」が起こり、
世間は「ルナシー事件」の話題で持ちきりになりました。

どんなに待っても母親からの連絡はなく、
瀬口教授が修哉の母親に、修哉のことを話すはずがない、
きっと、「ルナシー事件」の話をしているに違いない、と修哉は考えました。

修哉は殺人を起こし、その責任は母親にある、
とマスコミに報道させることにしました。

授業中に、ノートに何度も「死.ね」と書き殴っていた直樹に話しかけ、
ターゲットを選ばせてみて、直樹を証言者にすることにしました。

事件当日、愛美がポシェットのファスナーに手をかけ、気絶したときは、
死んだ! 死んだ! 大成功だ! 母親が駆けつけてくれる、
「今までごめんね」と抱きしめてくれる、それからは、ずっと2人一緒だ、
と修哉は考えました。

しかし、去り際に直樹に捨て台詞を言ったせいで、
直樹は修哉の計画をぶちこわそうとしました。

事件からひと月後、森口が真相に気付き、化学室に呼び出されましたが、
森口は、警察には言わないと言いました。

終業式の日、森口はクラス全員の前で事件の真相を語り、
「びっくり財布」を否定し、愛美を殺したのは修哉ではなく直樹だと言い、
エイズ患者の血液を修哉と直樹が飲んだ牛乳に混入していた、
ということを話しました。

修哉はHIVに感染し、母親が心配して会いにきてくれることを望みましたが、
検査の結果が出るのは3ヶ月後でした。

終業式の日から3ヶ月後に血液検査を受けに行った一週間後、
委員長の美月がいじめのターゲットになりました。

血液検査の結果は陰性(感染していないということ)で、修哉は落胆しました。

キスをさせられたと思いこんでいるであろう美月に、
そのことを知らせましたが、美月は、知ってた、と言いました。

修哉は美月に好意を抱くようになり、付き合い始めました。

しかし、夏休みのあいだじゅう、美月は文学賞に応募するための原稿を書いていて、
それを教えてくれたのは郵送した日、今から1週間前のことでした。

美月はルナシーかぶれしていました。
ルナシーとは月の女神、これは私の名前「美月」からとっているのだ、
ルナシーと私は、もとは同一人物だった、などと、
美月はわけのわからないことを語りました。

また、薬品を担任の寺田に使ってみようか、と言い出した美月に、
寺田のどこがそんなに気に入らないのかと質問すると、
修哉が見下していた直樹が美月の初恋の人だから、
という意味のことを美月は言いました。

サイテー、馬.鹿じゃねえの?
と修哉が言うと、美月は修哉のことを「マザコン」と罵り、
ママは結局、あんたを捨てただけじゃない、
そんなにママを待ちこがれてるなら、自分から会いに行けば?
ぐだぐだ言いながら待ってるのは、拒否されるのが怖いんじゃない?
と言いました。

修哉は逆上し、美月を「殺害し、研究室の大型冷蔵庫の中にしまいました。

そして、今から3日前、修哉は母親に会いにK大学に行きました。

そこで、工作展の審査員の瀬口と会い、瀬口の研究室に案内してもらいました。

瀬口の机上の写真立てには、修哉の母親が映っていて、
瀬口はそれを新婚旅行の写真だと言いました。
また、修哉の母親は瀬口の子供を妊娠中で、12月末に生まれる予定なのに、
今日も学会で福岡まで出かけている、という話を瀬口はしました。

修哉は瀬口の妻のことを、僕の……、尊敬する人、です、と言い、
瀬口は修哉が妻の再婚前の息子だと気付いた様子でした。

修哉は研究室を駆け出し、
たった1人の私の子供、そう言ったではないか、
その子供を迎えにこないまま、己よりさらに優秀な男と再婚し、
そいつの子供を産み、幸せになろうとしているのか、と考えました。

瀬口は気付いたはずなのに、母親からは何の連絡もありませんでした。
これから行う大量殺人は、母親への復讐だ、
と修哉は遺書をウェブサイトに載せ、明日の出来事を、
どうか最後まで見届け、この魂の叫びを彼女に届けてほしい、と書きました。

しかし、「始業式で表彰されるときに『さらば!』と叫び、
爆弾のスイッチを押しても、何も起こりませんでした。

爆破装置に組み込んだケータイが、振動している気配すらなく、
演台に仕掛けてあったはずの爆弾がなくなっていました。
そのとき、非通知で電話がかかってきて、修哉は通話ボタンを押しました。


というところで、5章は終わります。

この話は6章「伝道者」に続きます。

湊かなえ「告白」第4章「求道者」のネタバレ解説

第4章は、真っ白な狭い部屋にいる下村直樹の回想が書かれています。

直樹は、物心ついた頃から、ひたすら母親に褒められながら育ち、
自分は頭がいいし、スポーツもできると思っていました。

しかし、小学校3年生になる頃には、それは母親の願望であって、
実際はがんばったところで中の上くらいにしかなれないことに気付いていました。

しかし、褒めるところがないため、
母親が直樹のことを「優しい」という言葉でごまかしていました。

成績上位者を子供たちの前で発表する森口に、
母親がクレームの手紙を書いていたのを知ると、
母親が「優しい」と親戚や近所の人に自慢するたびに、
直樹はみじめな気分になりました。

そんな直樹は、2月に、
クラスの男子から一目置かれた渡辺修哉に声をかけられ、
お世辞を言われたことで、有頂天になりました。

川沿いにある古い平屋の一室、修哉の「研究室」を訪れ、
パワーアップした「びっくり財布」を見せられます。

懲らしめたいヤツを直樹に選んでほしいと言われ、
直樹はA組の担任の戸倉や、森口の名前をあげますが、
修哉に却下されました。

しかし、森口の子供の愛美はどうかと言うと、修哉は興味を持ちました。

ショッピングセンターで愛美がポシェットをおねだりしていたのに、
買ってもらえなかったことを教え、
直樹と修哉はショッピングセンターに買いに行きました。

計画を立て、事件当日の放課後、
竹中の家の飼い犬のムクがいる庭にボールを投げこみ、
竹中が留守にしているのを確認します。

愛美を待っている間、直樹は修哉に、今度、うちに遊びにきてよ、
母さん、僕に頭のいい友だちができてうれしいみたい、と言いました。

修哉は、ムクにパンをやりにきた愛美にポシェットを渡します。

直樹は、びっくりして尻餅をつく程度だと思っていたのですが、
愛美は気を失い、目を閉じたまま、ピクリとも動かなくなりました。

それまで直樹をおだてていた修哉は手のひらを返し、
みんなに言いふらしていいよ、共犯とか、気にしないでね、
最初から仲間だなんて思ってないから、
脳なしのくせにプライドだけは高い君はあきらかに人間の失敗作だよ、
という意味のことを言いました。

修哉は帰っていきましたが、直樹は、
愛美がプールに落ちたことにしようと、
プールサイドぎりぎりのところまで運びます。

愛美は目を覚ましましたが、人間の失敗作だよ、という言葉が、
直樹の頭の中によみがえります。

やっぱり殺人者になろうとしていたんだ、僕を利用して、
でも、子供は生きている、渡辺くんの計画は失敗だ、失敗! 失敗!
と考え、直樹は徐々に意識を取り戻した愛美をプールに落としました。

渡辺が失敗したことに、成功したんだ、
と思いながら、直樹はプールから出ていきました。

翌日、何で余計なことをしたんだ、と修哉に言われ、
話しかけないでよ、仲間でもないのに、
それから言いふらしたければ自分でどうぞ、
という意味のことを直樹は言いました。

しかし、事件から1ヶ月後、森口にプールで話がしたいと言われましたが、
直樹は家に来てほしいと頼みました。

直樹は、愛美がプールに落ちる直前に目を覚ましたことだけは隠し、
嘘をつきました。

それから一週間後の終業式の日、森口はクラス全員に、
少年AとBが修哉と直樹であることが分かるように話し、
殺したのは直樹だと断言し、牛乳に桜宮の血液を混入したことを話しました。

それ以降、絶対に両親に感染させてはいけない、
と直樹は考えながら過ごしました。

不登校が続き、病院に連れて行かれた帰り、
ハンバーガーショップの隣の席にいた子供が、
足元に牛乳をこぼし、直樹は隣の席の親子を森口とその子供だと思いこみ、
トイレで吐きました。

それ以来、外に出られなくなりました。

また、家庭訪問にきた寺田を、森口とグルになっているのかもしれない、
美月だって信用できたもんじゃないと考え、
部屋に上がってきた母親に怒鳴って辞書を投げつけました。

それでも直樹は生きていることに喜びを感じていたのですが、
後日、母親が作った食事に睡眠薬を混入されて、
眠っているあいだに髪の毛を切られてしまいます。

しかし、母親の仕業とは知らない直樹は、自分が死にかけているのだと思い、
パニックになり、風呂場で頭を丸刈りにした後、
自分はゾンビになったのだと思いこみ、
コンビニの商品に血をつけました。

母さんは、ゾンビになってしまった僕ですら、受け入れてくれている、
と直樹は思い、森口の子を故意に殺したことを打ち明けました。

プールに投げ込んだのは、怖かったからでしょ?
と母親に何度も訊ねられましたが、
母さんの理想に限りなく近いヤツが失敗したことを、成功させたかったんだ、
とは、さすがに言えませんでした。

その後、寺田と美月が家庭訪問にやってきて、
寺田は、修哉はずっと学校に行っていたということや、
いじめられてはいたけれど、解決したということを大声で言いました。

あいつはきっと、ひきこもりになった僕を心から軽蔑し、
笑っているに違いない、と怒った直樹は、
明日、警察に行って、全部全部ぶちまけてやる、と考えました。

しかし、「包丁を持った母親がやってきて、直樹を抱きしめ、
母さんと一緒に、おじいちゃんとおばあちゃんのところに行きましょう、
直くん、ごめんね、上手に育ててあげられなくて、ごめんね、
失敗して、ごめんね、と言いました。

失敗という言葉に過剰に反応した直樹は、包丁を奪って母親を刺しました。
そのまま、母親は階段を落ちていき、
僕も一緒に、連れてって、と考えました。

直樹の姉がやってきて、部屋の外から、
直くんは、何もしていないんだからね、悪い夢を見ていただけなんだからね、
と言われ、直樹は、
今までの出来事を夢で見た別の少年のことだと考えていました。


というところで4章は終わるのですが、もし仮に修哉に話しかけられなくても、
他人のせいにするのをやめない限り、
直樹はいつか駄目になっていたと思います。

それよりも、HIVは感染力が弱いので、
トイレでの便座の共有や、同じコップでの回し飲み、
お風呂やプール、洗濯などでは感染することはないのに、
それで感染するかのように描写し、
HIVへの偏見を煽っていることのほうが気になりますね。

直樹の視点の4章でそれを書くのは無理でも、2章5章あたりで、
それについて言及するべきだったのではないかと思います。

この話は5章「信奉者」に続きます。

湊かなえ「告白」第3章「慈愛者」のネタバレ解説

下村直樹には、2人の姉がいます。
その下の方の姉で、大学2年生の聖美は家を出ていて、
上の方の姉は結婚して隣町に住んでいました。

聖美は7月20日に父から電話で、
母親が直樹に殺されたと知らされました。

母の遺体には、腹部に刺し傷が1つ、
後頭部に打撲のあとが1ヶ所あったのだそうです。
包丁で刺された後、階段から突き落とされたのだそうです。

事件から2日後、警察から、直樹は2年生になってから、
一度も学校に行っていなかったと知らされました。
同居していた父親も含めて、
そのことを母親以外の家族全員が知りませんでした。

聖美は、母親の日記帳を見つけ、それを読みます。

以下は、その日記の内容です。

3月1×日。
昨日、森口が直樹の家にやってきた、ということが書かれています。

直樹の母親は、シングルマザーであることを理由に森口が嫌いで、
担任がシングルマザーなんてとんでもない、
と校長宛に手紙を書いたこともありました。

森口は、直樹がテニス部をやめたこと、
ゲームセンターで不良高校生にからまれたこと、
被害者であるにもかかわらずペナルティを受けることに
なってしまったことなど、直樹とその母親の前で話しました。

森口が愛美の事故について尋ねると、直樹は、
僕のせいじゃない、と言いました。

渡辺修哉と愛美を殺したときの話をしますが、
第1章の森口の言葉を借りれば「親バカ」である直樹の母親は、
普段から直樹を甘やかしており、
事件前後の直樹の行動も、好意的に解釈していました。

愛美の死因は水死ではなく感電死だと思いこんでいることもあり、
悪いのは全部、渡辺修哉で、直樹は被害者だと直樹の母親は考えていました。

森口が帰った後、後で強請られたりしないよう、
森口に賠償金を支払っておいたほうがよいのではないかと思い、
直樹の母親は夫に事件のことをかいつまんで話し、
森口の家に電話をかけてもらいました。
しかし、森口は賠償金を断りました。

夫は、警察に報告した方がいいと言いましたが、
直樹が共犯の罪に問われたらどうするつもりなのだ、
と母親はやめさせました。

さらに、事件そのものが森口の作り話なのではないか、
それなら、渡辺という子も被害者です、悪いのはすべて森口なのです、
と胸糞悪いことを考えていました。

3月2×日、春休みに入った直後から、直樹は不潔になりました。

たった数枚の皿と茶碗を、1時間近くもかけて洗ったり、
洗濯も、除菌効果のある漂白剤を必要以上に入れて、
何度も繰り返し洗ったりする一方で、とにかく、不潔でした。

歯を磨こうとせず、風呂に入るのも嫌がるようになりあmした。

3月3×日、モナカを食べて涙を流した直樹を見て、
直樹の潔癖症やそれに相反する行動は、
思春期や反抗期のせいではなく、あの事故のせいだと直樹の母親は考えました。

憎いのはやはり、あらぬ疑いで直樹を精神的に追い詰めた、あの森口です、
直樹はほんの少し、運が悪かっただけなのです、と母親は日記に書きました。

4月×日、直樹の上の姉の真理子が、妊娠したと報告にきました。
しかし、直樹は風邪気味だから、移してしまったら申し訳ないと言い、
下に降りてきませんでした。
真理子の帰り際、直樹が自分の部屋の窓を開け、
お姉ちゃん、おめでとう、と言いながら手を振りました。

その後は、直樹の母親が昔、中学生の頃に亡くなり、
8歳年下の弟と一緒に親戚の家に預けられた、ということなどが書かれています。

4月1×日、登校しない直樹を仮病だと考え、
心が疲れているのなら、医者に診てもらって、
診断書を書いてもらわなければならない、と母親は考えました。

4月2×日、母親は直樹を病院に連れて行き、自律神経失調症と診断されました。

帰りに、直樹の希望でファストフードのハンバーガーを食べることになりました。
ショップのとなりの席には、4歳くらいの女の子と、その母親が座っていました。

子供が飲んでいた牛乳パックを落として、
飛び散った牛乳が直樹のズボンと裾と靴にかかってしまうと、
直樹はトイレに駆け込み、食べたものをもどしてしまいました。

5月×日、直樹は1日の大半、掃除をして過ごしていました。
風呂は週に1回入ればいいほうで、その他の時間は、
ずっと自分の部屋に閉じこもっていました。

5月2×日、新しい担任の寺田良輝と、北原美月が家庭訪問にきて、
直樹の母親は寺田に好印象を持ちました。
しかし、ノートのコピーを直樹の部屋に届けに行くと、
この、無神経ババア、余計なことしゃべんなよ、と直樹は怒鳴り、
辞書を1冊投げつけました。

6月1×日、直樹は皿洗いに疲れたのか、
自分の食事は紙皿に入れてほしいと言いました。

風呂にはもう3週間以上入っていなくて、
服や下着も何日も同じものを身に着けたままでした。

このような状態になってしまったのは、家庭訪問が原因だと母親は考えました。
寺田にしても、初めこそ熱意のある方だと感心していましたが、
回を重ねるにつれ、何の役にもたたないことに気がついていました。

7月×日、直樹はまったく自分の部屋から出てこなくなりました。
母親が出かけているときや、用意をしているときをねらって、
トイレには行っているようですが、ピカピカなのに、異臭が残っていました。

7月1×日、母親は直樹の昼食にこっそり睡眠薬を盛り、
寝ている直樹の、長く伸びた脂だらけの髪の毛を、ハサミで切りました。
不潔の鎧にひびを入れるのが目的でした。

母親が夕食の準備を始めると、獣の咆哮のような声が家中に響き渡り、
直樹が暴れました。

しかし、明け方、直樹は1時間以上シャワーを浴び、
頭を丸坊主にしました。

ちょっとそこのコンビニまで行ってくるよ、と直樹は言って出かけましたが、
数十分後、コンビニの店長から電話がありました。
コンビニに行った直樹は、ポケットの剃刀の刃で指を切り、
血だらけの手で片っ端からおにぎりやお弁当、ペットボトルのふたなど、
店の商品に触っていったのでした。

コンビニに行った母親は、血のついた商品を全部買い取り、
家に帰り、こんなことをした理由を訊ねました。
警察につかまりたかったから、と直樹は言いました。

母親がおにぎりを食べようとすると、それ食べない方がいいよ、
エイズになって死んじゃうから、と言い、
終業式の日の出来事を直樹は初めて話しました。

また、プールで愛美がポシェットで感電して気を失った後、
愛美は「直樹の目の前で、目を覚ましましたが、
そのあと、直樹はプールにあの子を投げ落とした、という話をしました。
これは、森口にも話していないことでした。

目を覚ましたのに、プールに投げ込んだのは、怖かったからでしょ?
と母親は何度も何度も繰り返し訊ねましたが、
直樹は、母さんがそう思いたいなら、それでいいよ、と言い、
早く警察に行こうよ、と繰り返していました。

その後、寺田がやってきて、近所に響き渡るような大声で、
直樹が学校に行っていないことを言いふらし、
クラス全員で寄せ書きをした色紙を直樹の母親に渡しました。

しかし、その一見いい言葉が書かれているメッセージの頭文字を合わせると、
『人殺し、死.ね』という暗号になっていました。

それで決心がつき、直樹の母親は、夫と真理子と聖美に遺言を書き、
私は直樹を連れて、みんなより一足先に、
大好きだった父と母のところへ行きますね、と書き、日記は終わりました。

日記を読み終わった聖美は、父は本当に何も気付いていなかったのだろうか、
本当は、我が家に異変が起きていることを知りながら、
気付かぬフリをしていたのではないだろうか、と考えました。

聖美が、日記や心療内科にかかった記録と合わせて、
直樹を無罪にしてやりたい、でも、それをするのは、
弟の本心を確認してからだ
」と考えたところで、この3章は終わります。

というあらすじなのですが、
直樹を甘やかし続けた母親が間違ったやり方で直樹を庇おうとしたせいで、
余計に直樹が追いつめられてしまった、という感じの話ですね。

母親も最悪ですが、聖美が最後に考えた「弟を無罪にしてやりたい」というのも、
最悪だな、と思います。

この話は、4章の「求道者」に続きます。

湊かなえ「告白」第2章「殉教者」のネタバレ解説

第2章は、北原美月という委員長の女子生徒が、
森口悠子に向けて書いた「手紙」という形式で書かれています。

しかし、修哉と直樹を裁いた後、森口悠子は姿を消し、
美月は森口の連絡先を捜すことができませんでした。

美月はその「手紙」を小説として、
4月号まで『世直しやんちゃ先生』のコラムが連載されていた文芸誌の
新人賞に応募することにしました。

美月は直樹の幼なじみで、直樹のことを「直くん」と呼んでいます。

2年生の新学期以降、直樹は不登校になりましたが、
修哉は2年B組の教室に来ていました。

新しい担任の若い男は、寺田良輝(よしき)という名前を黒板に書いた後、
僕は学生時代から『ウェルテル』と呼ばれているから、
みんなもそう呼んでくれ、と言いました。

寺田は、桜宮正義に憧れて熱血教師になりたがっているけど、
なりきれていない、という感じの人物です。

みんなに対して先入観を持たないように、
1年生のときの担任の先生が書いた調査書は、
あえて読まないことにしていると寺田は言いました。

5月半ばまでは、直樹は1日も学校に来ていませんでしたし、
修哉はみんなから避けられていましたが、比較的落ち着いていました。

ある日、寺田は自宅から桜宮正義の書いた本をクラスに持ってきて、
学級文庫を作りましたが、反応が薄いことに不満を感じたのか、
数学の授業中に桜宮の本を読み上げました。

その後、学校を休み続けている直樹のことを、
みんなで考えようという内容のことを、寺田は言いました。

直樹が学校に来れない理由を知らないのは、クラスの中で寺田だけでした。

寺田が教室を出ていき、解散した直後、全員のケータイに、謎のアドレスから、
B組内での告白を外にもらしたヤツは、少年Cとみなす、
というメールが届きました。

寺田は、直樹の家に、みんなで授業のノートのコピーを届けよう、
と言いましたが、あからさまにイヤそうな声が上がり、
理由を訊かれた男子は、家が反対方向だから、と言い訳しました。

みんなで交代でノートのコピーをとり、
直樹の近所であり委員長の美月が、
週に1度、直樹の家に届けると寺田は決めてしまいました。

さらに、美月が寺田のことをウェルテルと呼んでいないのが不満な寺田は、
美月には、何かニックネームはないのかと訊きました。

特にない、と美月は答えましたが、
綾香という女子が「ミヅホ!」と大きな声で言いました。
小学校低学年の頃、美月はほぼ全員の同級生からそう呼ばれていていました。

寺田の呼びかけで、美月は再びミヅホと呼ばれるようになりました。

5月の第3金曜日に、初めて直樹の家にノートを届けました。

直樹の母親は、直樹が「心の病」になってしまったのは、
去年の担任のせいだと言い、
寺田は、直樹くんのことは僕に任せてください、と言いました。

6月の第1月曜日、クラス全員に牛乳が配られました。
『全国中高生乳製品促進運動』の効果を受け、
県内の全中学校で、毎日牛乳が支給されることになったのでした。

しかし、牛乳を飲むのは寺田だけで、みんなは部活のあとで飲むということにして、
牛乳をカバンにしまい込みました。

その日の放課後、掃除当番に当たっていた修哉の足元に、
野球部の星野祐介が牛乳パックを投げつけ、牛乳が飛び散りました。
祐介は修哉に、おまえ、まったく反省してねえだろ、と言い、
それから修哉に対する制裁が始まりました。

野球部は5月初めにおこなわれた県の新人戦で、私立の強豪校を打ち負かし、
ベスト4に入り、一番活躍したのはエースで4番の祐介でした。

しかし、寺田は、がんばったのは祐介だけだろうか?
祐介と他の8人のメンバー、そして、レギュラーに選ばれなかった補欠部員、
全員に賞賛を送りたいと思う、と言い、
祐介の活躍を喜ぶ楽しい空気に水を差しました。

その不満が修哉に向いたのだと、美月は考えていました。

直樹の家には毎週金曜日に寺田と通っていましたが、
訪問を重ねるごとに直樹の母親の応対時間は短くなりました。
また、直樹の母親は唇が少し腫れていました。

美月は寺田に、家庭訪問をこれ以上続けても、
直樹を追いつめることになるのではないか、
という意味のことを言いましたが、寺田は、
お互い今が正念場なんだと思う、と言いました。

週が明けた月曜日、寺田の提案で直樹に励ましの寄せ書きをすることになりましたが、
教室内には異様な空気が流れ、クスクス笑っている女の子や、
ニヤニヤ笑っている男子もいました。

ある日、全員のケータイに、
修哉に天罰を! 制裁ポイントを集めろ!
というメールが届きました。

制裁ポイントというのは、修哉に対する嫌がらせのことで、
このアドレスに嫌がらせの内容を報告することで制裁ポイントが与えられ、
毎週土曜日に集計し、クラスで1番ポイント数の少ない人は、
翌週から人殺しの味方とみなされ、同じように制裁を受けることになる、
ということでした。

6月の第4週、寺田は数学の授業を学級会に変更し、
このクラスにはいいじめがあります、と書かれた宿題のノートを全員に見せました。

修哉に対する嫌がらせは、学年でも1、2位を争う成績の修哉に対する嫉妬だ、
という意味のことを寺田は言い、説教をしました。

同じ日の放課後、美月は5、6人に取り囲まれ、綾香から、
ウェルテルにチクったのって、ミヅホ、あんたでしょ、と言われました。

美月は否定しましたが、牛乳パックを差し出され、修哉にぶつけたら、
無罪だって信じてあげる、と綾香は言いました。

美月は目を瞑って牛乳を投げ、それは修哉の顔に当たりました。
ごめん……と美月が謝ったのを、綾香が聞き、
犯人はミヅホよ、裏切り者に、制裁を!
と叫び、美月は両腕を後ろから締め上げられ、
牛乳で汚れた修哉とキスをさせられ、ケータイで写真を撮られました。

深夜零時頃、修哉にコンビニの駐車場に呼び出され、
血液検査の結果が書かれた紙を見せられました。
修哉はHIVに感染していないことを示されたのですが、
美月は、知ってた、と言いました。

深夜に修哉と自転車の2人乗りをし、修哉の家に連れ込まれた後、
美月は知っていた理由を話します。
美月は、第1章で直樹と修哉が飲まされた牛乳パックを回収し、
血液に反応する溶液を落とし、血液が入っていなかったことを知ったのでした。

それを黙っていたのは、修哉に対する嫌がらせを軽減させるためでした。

その日、修哉と美月は缶ジュースの飲み回しをし、キスしました。

翌朝、学校に行くと修哉と美月の机に落書きがされていました。
修哉は、自分の子指の先を噛み、昨日美月を締め上げた男子の頬に、
血液をなすりつけました。

また、血だらけになった手で、綾香のケータイを握り、
祐介に、おまえがバカ女そそのかして、俺への嫌がらせ煽ってたのなんて、
バレバレだっつーの、と言い、祐介にキスをして脅し、嫌がらせをとめました。

美月は修哉の家の「研究室」に通うようになり、
7月の半ば、完成した「嘘発見器」を見せてもらいました。
また、猫や犬を殺していたというのは、相手の反応を強くするための嘘だった、
という意味のことを言い、修哉は泣きました。

美月は修哉を抱きしめ、その日、家に帰ったのは、明け方近くでした。

1学期の終業式前日、放課後、寺田は寄せ書きを直樹の母親に渡し、
玄関のドアのすきまに片足を挟み、家の中に向かって、
修哉はクラスメイトからいじめを受けていたが、
寺田の説教のおかげでいじめがなくなった、明日の終業式に必ず来てくれ、
という内容を叫びました。
近所の人たちも、何ごとかと外を覗いていたようでした。

美月はその日、血液検査の結果を書いた手紙を直樹に渡すつもりでしたが、
渡せず、握りつぶしました。

その晩、直樹は「母親を殺しました。
時間短縮された終業式の後、美月は教室に残されました。

美月は寺田の腕に、修哉の作った嘘発見器をはめ、
先生が毎週家庭訪問をしていたのは、直くんのことを思ってですか?
それとも、先制の自己満足のためですか? と訊ねました。

直樹のことを思って、家庭訪問していたんだ、と寺田は言いましたが、
嘘発見器は嘘を告げるアラームを鳴らしました。

校長室に呼び出された美月は、校長や警察に向かって、
寺田の家庭訪問で追いつめられた直樹は母親に暴力をふるうようになっていたのに、
寺田は家庭訪問を控えず、事件の当日は、近所の人たちにまで聞こえるような声で、
直樹を見せ物にした、寺田が愚かな自己顕示欲さえ示そうとしなければ、
この悲劇は起こらなかったはずだ、という内容を話しました。

夏休みにその手紙を書いていた美月は、去年の夏からいろいろな薬品を集めていて、
理科の先生から化学室の鍵を借りて青酸カリを牛乳に入れ、
寺田に飲ませようと考えている、という内容を書きます。

そこまで寺田を憎むのは、美月アホ、の略のミヅホというあだ名のせいでした。
小学校の低学年の頃、直樹だけがミヅホではなく『美月ちゃん』と呼び、
美月は直樹を好きになりました。初恋でした。

美月が森口に、先生は、少年2人を自分が直接裁いたことを、
今どう思ってますか?

と訊ねたところで、2章は終わりです。

というあらすじなのですが、寺田良輝のウザいキャラクターの描写は、
湊かなえさんの本領発揮だな、という感じですね。

ところで、森口は『T市・一家五人殺害事件』こと『ルナシー事件』を毛嫌いしていたのに、
そんな森口に、第二のルナシー事件を起こすつもりだという内容の手紙を読ませて、
美月はどうするつもりだったのでしょうね。

美月は美月でもともと異常だったのが、
事件やいじめをきっかけに表面化してしまった、という感じでしょうか。

この話は3章「慈愛者」に続きます。
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